2023年9月1日(金)
西武スト「頑張れ」
労組員を激励 通行人ら共感の声
本店前
百貨店そごう・西武の労働組合は31日、東京都豊島区にある西武池袋本店でストライキを決行し、通行人らの注目を集めました。シャッターが下りた同本店前には数十人の組合員が集まり、横断幕などを掲げながら「雇用を守るため」と通行人に理解を求めていました。その訴えに共感する人たちが「頑張って」などと声をかけていく姿がありました。(小酒井自由)
![]() (写真)西武池袋本店前には、組合員の訴えに聴き入る人や報道陣で人垣がつくられていました=31日、東京都豊島区 |
ストライキの影響で、同本店は臨時閉館しました。その閉館を知らせる張り紙をスマートフォンで撮影する人たちがいたるところにいました。
同本店前では、組合員が「ただいま労働者の権利としてストライキを実施しています」と書かれたチラシを配り、「西武池袋(本店)を守る活動をしています」などと通行人に声をかけていました。
ハンドマイクを手にストに至る経緯を訴えた組合員は、そごう・西武の米投資ファンドへの売却をめぐり、雇用継続や事業維持に確証が持てないと述べ、「本店1万人の従業員やその家族の人生がかかっている」などと理解を求めました。
立ち止まって訴えに聴き入る人や、詰めかけた報道陣で人垣ができ、同本店前の幅の広い通路の半分を埋めていました。
ストの応援に駆け付けたという、神奈川県内の私立学校で社会科教員をする女性(49)=川崎市=は「『よくやった』と言いたいです。同じ労働者として励まされました。有名な百貨店でストが決行されたことで、他の労働組合にもいい影響があるのでは」と話しました。
社会科教員として、ストを実際に見たことも収穫でした。自身の授業で、生徒に報告する予定です。「働く人が守られることは生きる希望になる。大切なことだと伝えたいです。生徒自身がどう思うかも問うていきたいです」と笑顔を見せました。
チラシを手にしていた70歳の男性=豊島区=は、同本店から自宅が近く1990年代からよく通っているといいます。売却後には、大手家電量販店が入るという報道も目にすると述べ「この周辺にいくつも家電量販店があるので必要性がない。それで経営が悪くなり、閉店になることが心配だ」と言いました。









