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2023年9月1日(金)

「労組は賃金上げる」

格差縮小・経済成長に貢献

米財務省が報告書

 【ワシントン=島田峰隆】米財務省はこのほど、労働組合が米経済に及ぼす影響に関する調査報告書を発表し、「労組は組合員の賃金を10~15%引き上げる」と指摘しました。労働組合をつくることによって、深刻な問題となっている経済格差を縮小し、経済全体を成長させられると分析しました。


 イエレン財務長官は報告書が発表された28日、「労働組合は最近の数十年間に見られた不平等の著しい拡大を逆転させ、経済全体の成長を促すことに貢献できる」と指摘しました。バイデン政権として労働組合を重視し、中間所得層を支援する姿勢を改めて強調しました。

 報告書によると、1940年代、50年代に30%台だった労組加入率は徐々に下がり続け、2022年には10%台になりました。1970年代後半からは労組加入率が下がるにつれて、富裕層トップ1%の収入が伸びました。

 報告書は、労組加入率の低下で労働者が企業側と団体交渉を行う力が弱まったと指摘。経済格差の解消には「特に労組を支援することを通じて労働者の力を強化すること」が必要だとしています。

 労働組合がもたらす良い影響として▽賃金を引き上げ、職場環境を改善し、中間所得層の経済的安定と労働者の幸福をもたらす▽労組が組織されていない他の職場にも賃上げや職場環境改善を促す▽人種やジェンダーに基づく格差を縮小する▽社会全体の不平等を縮小し、生産性を高める―などを挙げました。

 報告書は、労組加入率はまだ低いものの、「過去2年間に労働運動の再活性化の兆しがある」と指摘しました。2022年には労組結成の申請が15年以来で最も多くなったことや、反労組で有名な企業で労組がつくられたこと、労組を好意的にみる世論が過去50年余りで最高となっていることなどを紹介しました。


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