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2023年9月1日(金)

軍事費 過去最大7.7兆円

予算案概算要求 対米公約を最優先

 防衛省は31日に決定した2024年度予算案の概算要求で、過去最大だった23年度予算を9166億円上回る7兆7385億円を盛り込みました。12年連続で前年度を上回り、10年連続で過去最大の更新が狙われています。物価高騰に直面する市民生活を後回しにし、対米公約を最優先した大軍拡です。


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 米軍再編・SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費は金額を示さない「事項要求」としており、総額はさらに膨らむ可能性があります。政府は、安保3文書に基づき23~27年度に軍事費43兆円を確保する方針。今回の概算要求は、大軍拡や敵基地攻撃能力の保有など安保3文書の具体化につながるものです。

 敵基地攻撃が可能な「スタンド・オフ防衛能力」として、音速の5倍以上で低空飛行する「極超音速誘導弾」の開発費に718億円、量産費に85億円を盛り込みました。射程を1000キロ程度に延ばす「12式地対艦誘導弾能力向上型」(地上発射型)の取得に951億円を要求。艦艇や地上目標を攻撃する新型の「精密誘導弾」の開発に320億円を盛り込みました。

 敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させる「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の一環として、中国やロシアが開発を進める極超音速滑空弾を迎撃する新型ミサイル「GPI(滑空段階迎撃用誘導弾)」の日米共同開発に750億円を初めて計上。イージス・システム搭載艦2隻の建造費として3797億円を要求しました。

 また、陸海空自衛隊を一元的に指揮する常設の「統合司令部」(約240人規模)の創設を明記しました。陸海空共同の部隊として「自衛隊海上輸送群」を創設し、輸送用船舶の取得費を計上。対中国を念頭に、南西諸島への輸送力強化を狙います。

 司令部の地下化など自衛隊基地の強靱(きょうじん)化に計8043億円を計上。そのうち長射程ミサイルなどの弾薬庫の整備に221億円を充てます。


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