しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年8月24日(木)

温暖化進めば対応限界 全面的な対策が必須

国立試験研究機関全国交流集会

 第41回国立試験研究機関全国交流集会(国研集会)のサテライトセッションが22日、オンラインで開かれました。高橋潔・国立環境研究所社会システム領域副領域長が「気候危機と持続可能な社会を考える」と題して講演しました。

 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」報告書の執筆などに携わってきた高橋氏は、現在の地球温暖化が二酸化炭素など人為的な温室効果ガスの放出によることが明白になってきていると指摘。日本でも過去100年間に年平均気温が約1・3度上昇したこと、とりわけここ数年、毎年のように年平均気温の高さが更新している状況であること、猛暑日や1時間降水量が50ミリ以上の短時間強雨の観測日数が増加していることなどを紹介しました。

 地球温暖化によって、熱中症から食料生産量の減少、海面上昇などさまざまな問題が引き起こされており、それらへの対応に追われています。高橋氏は、将来にわたり温暖化が進めばいずれの地域・分野でもそれがより激化し、それらへの対応にも限界があるとしました。

 そのうえで、パリ協定で目標として掲げられた地球の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度より十分低く保ち、1・5度に抑える努力をすることの重要性を強調。そのためには、全面的な温暖化対策が必須だとして、気候問題の枠に収まらないさまざまな社会問題や開発問題との整合性を取りながら進めていくことが大切だと述べました。

 参加者からは「国は温暖化対策といって原発を動かそうとしている」「温暖化の問題を広く知ってもらう必要がある」などの声が出されました。


pageup