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2023年8月18日(金)

サンゴ移植 指示取り消しへ提訴

沖縄県“国の違法な関与”

福岡高裁那覇支部

 沖縄県は17日、名護市辺野古の新基地建設をめぐり、大浦湾の軟弱地盤に生息するサンゴ類の移植について、玉城デニー知事に許可するよう野村哲郎農林水産相が是正指示を行ったのは違法な関与だとして、関与の取り消しを求める訴訟を福岡高裁那覇支部に提起しました。

 訴状で県は、防衛省沖縄防衛局が申請した軟弱地盤の改良工事のための設計変更はデニー知事が不承認としており、大浦湾側の埋め立てができない状態にあることについて、「動かしようのない事実である」と強調。環境に取り返しがつかない変化をもたらすサンゴ類の移植の必要はなく、是正指示は違法で取り消されるべきだと述べています。

 防衛局は昨年7月、軟弱地盤に広がる小型サンゴ類約8万4千群体、ショウガサンゴ8群体、大型サンゴ21群体を移植するため、特別採捕を県に申請。県は不許可としますが、防衛局は行政不服審査法に基づき、新基地建設を推進する岸田内閣の一員の野村農水相に審査を請求しました。野村農水相は公正中立な審査ができる立場にないにもかかわらず、デニー知事の不許可を取り消し、県に是正指示を行いました。

 県は是正指示を違法だとして、国の第三者機関である国地方係争処理委員会に審査を申し出ます。しかし同委員会は、国と自治体が対等平等の関係にあるべきとする地方自治の本旨を考慮せず、国側の主張を追認。「違法ではない」としました。

 デニー知事は17日発表したコメントで、同委員会の結論を不服として提訴に至った経緯に触れ、「是正の指示が違法であること等を強く主張してまいりたい」と表明しました。


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