2023年8月18日(金)
きょうの潮流
8月もお盆を過ぎたころから、そわそわしてきた思い出はありませんか。長かった夏休みもあと2週間余り。宿題の山が日に日に大きくなるような…▼そんな宿題事情を揺るがす事態が起きています。自然な文章をつくるという対話型の生成AI(人工知能)が急速に普及したためです。文科省は先月、学校でのAI活用法や留意点をガイドラインにまとめました。生成物をそのまま自分の作品として提出することは不適切、または不正行為に当たるなどと▼感想文や自由研究をAIに丸投げするかのような使い方にクギをさしたものです。何度か親やきょうだいの手を借りて、提出期限ぎりぎりに宿題を仕上げた経験のあるわが身からすれば、複雑な思いもありますが…▼もっともAIで作成した文章はすぐにばれるそうです。そこには、本来その子がもっている個性も癖も感じられないといいます。さらに落とし穴も▼以前、本紙コラムの「朝の風」にこんなことが書かれていました。小林多喜二についてAIに聞いてみたところ、代表作として「蟹工船」とともに「人間失格」と出てきて驚いたと。今回試したら、やっぱり間違ったままの文章が表示されていました。気づかなければ、と思うとぞっとします▼生成AIはウソをつく―。利用の流れが止められないなら、AIに振り回されるのでなく、どう活用するかをよく考えてみる。まずは親たちと一緒になってAIが誤る様子を体験してみては、と専門家。これも夏の宿題になりそうです。








