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2023年8月17日(木)

犠牲認定と賠償を

台湾2・28事件 遺族が支援要請

沖縄県に

写真

(写真)照屋副知事(左から3人目)に支援を要請する「台湾2・28事件」の遺族ら=16日、沖縄県庁

 中国大陸から台湾に渡った国民党政権が住民の抗議行動を武力弾圧した1947年の「台湾2・28事件」で、犠牲となった沖縄県与那国島出身の仲嵩實(なかたけ・みのる)さんと石底加禰(いしそこ・かね)さんの遺族らが16日、沖縄県庁で照屋義実副知事と面会し、台湾に求めている犠牲認定と賠償、真相解明に向けて県の支援を要請しました。

 要請したのは、仲嵩さんの長女の徳田ハツ子さん(88)と孫の當間ちえみさん(66)、石底さんの三女の具志堅美智恵さん(82)、「台湾2・28事件真実を求める沖縄の会」の青山惠昭代表世話人と顧問の又吉盛清沖縄大学客員教授です。

 徳田さんと具志堅さんの賠償請求はこれまで、死亡届に「マラリアで死亡」と記載されていることを理由に2度却下されました。しかし、仲嵩さんが「中国兵に殺害された」と記した文書が発見され、これを新たな証拠として3度目の賠償請求となる「訴願書」を10日付で台湾行政院に提出しています。

 要請で徳田さんは、「私の命のある間に解決してほしい」と訴え、具志堅さんは「父の遺骨はなく、墓には石を入れている。本当に悔しい」と語りました。當間さんは「祖父の無念を晴らしたい」と支援を求めました。

 照屋副知事は、人権救済や戦後処理の問題として真摯(しんし)に向き合うとし、「沖縄の戦後史の中で埋もれていた宿題を解決する位置付けで取り組む」と述べ、玉城デニー知事に報告して対応を検討すると応じました。


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