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2023年8月13日(日)

朝鮮人虐殺「加害者側だった」

関東大震災の絵巻物で学生らワークショップ

写真

(写真)朝鮮人虐殺を描いた絵巻をもとにしたワークショップ=12日、東京都内

 100年前の関東大震災を描いた絵巻物をもとにしたワークショップが12日、東京都内で開かれました。参加した30人超が6人ほどに分かれて、朝鮮人が虐殺されるシーンをもとに問いを作り、意見を交流しました。

 「この中で助けようとした人がいたのか?」「絵を描いた人は何を伝えようと思いながら描いたのだろうか」…。深め合ったたくさんの問いから、最後に参加者全体で選んだ問いは「虐殺する側にも切実な理由があったかもしれない、という意見があった。それに対してどう思うか?」でした。この問いづくりは、答えは出しません。それぞれの意見を否定せず受け止めながら、対話が続きました。

 絵を描いている大学院生の女性(22)は、関東大震災は知っていましたが、大学1年生のころまで朝鮮人虐殺のことは知りませんでした。「ホロコーストは学んでいたのに、私自身が加害者側だったことに衝撃を受けた」といいます。「100年が終わったらおしまいではなく、学び続けたい」

 「在日コリアンの友達とは話せるけど、日本の人とこうした話をするのは心苦しかった」と話すのは在日コリアン4世の女性(20)。「きょうは相手を否定しないなどルールがあって話しやすかった」といいます。「最近は外国人や障害者などいろいろな差別が目立ち、社会のひずみを感じます。そういう現状のなか、朝鮮人虐殺の歴史に向き合うことは大事だと思う。今回のような対話をもっと日本はじめいろんな人とできたらいいなと思いました」

 主催したNPO法人ホロコースト教育資料センター代表の石岡史子さんは「一人ひとりを尊重する対話を通して人権についての学びの場をつくっています。こうした虐殺を二度と繰り返さないために活動していきたい」と話していました。


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