2023年8月10日(木)
米LA市職員1万人スト
40年ぶり 賃上げ・人員増訴え
【ワシントン=石黒みずほ】米西部カリフォルニア州ロサンゼルスの市職員が8日、賃上げや人員増を求めて24時間のストライキを行いました。同市では、ハリウッドの脚本家や俳優、ホテル労働者らがストを行う中、市職員も約40年ぶりのストに踏み切りました。
ストを行ったサービス業国際労組(SEIU)721支部には、公立学校や空港などで働く、清掃員、監視員、整備士、シャトルバス運転士など、約1万1千人が加盟しています。労働者らは同日早朝から、市役所やロサンゼルス国際空港でピケを張りました。
同支部のデービッド・グリーン議長は、市全体で人員不足が深刻化し、職員が長時間労働を強いられていると指摘。交渉の際には、市が担当でない人を送り込むなどしていると告発し、公正に交渉するよう要求しました。
同支部は5月、98%の賛成でスト実施を決定。今後、同市で開催される予定のサッカーワールドカップやオリンピックで世界中から観光客が押し寄せるため、人員増が切迫した課題となっています。
空港清掃員のアナ・アルタミラノさん(60)は、パンデミックの下で倍の仕事量を任されるようになり、客が戻った現在も十分な人員が確保されていないと窮状を訴えました。港で働くマイケル・ミッチェルさん(33)は「食費もガソリンも、すべてが高く、すぐにでも生活困窮に陥りそうな状態だ」として、生活できる賃金の保障を求めました。
ロサンゼルスのカレン・バス市長は「1月から市として誠意をもって交渉してきた」と主張。さらなる前進のためにいつでも交渉に応じるとしています。








