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2023年8月7日(月)

米国でノーモア・ヒロシマ・ナガサキ

被爆者追悼 核廃絶を

禁止条約参加へ国民に知らせたい

シカゴで集会

 【エバンストン(米イリノイ州)=島田峰隆】米国で広島への原爆投下の日となる5日、各地で原爆犠牲者を追悼し、核兵器廃絶を訴える集会が開かれました。そのうち、中西部シカゴ郊外のエバンストンでは、地元の平和団体や人種差別に反対する団体などが共催する集会に、雨が降るなか集まった市民が「ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ」などのプラカードを掲げてアピールしました。


写真

(写真)原爆犠牲者を追悼し、核兵器廃絶を訴える集会に参加した人たち=5日、エバンストン(島田峰隆撮影)

 「シカゴ地域ピース・アクション」のデービッド・ボリス氏は、米国による広島と長崎への原爆投下は「世界史で初めての大規模テロ攻撃だった」と指摘。「犠牲者を追悼し、惨事を二度と繰り返さない道を取るための集会だ」と強調しました。

 ボリス氏は核兵器禁止条約の締約国が68カ国に上っていることに触れ、「米国も直ちに参加し、核廃絶へ針路をとるべきだ」と訴えました。

 シカゴに住むチャールズ・ジョンソンさん(43)は「米国の平和運動は核兵器禁止条約の発効に励まされている。ただ大多数の国民は条約を知らない。核兵器の危険性と合わせて禁止条約の存在を国民に知らせたい」と話していました。

犠牲者の人間性否定

 米国では7月下旬、原爆開発に携わった科学者オッペンハイマーの生涯を描いた映画が公開されました。同映画を巡っては、被爆者や米国内外での核実験被害者の苦しみが十分に描かれていないと批判が出ています。

 また同じ日に公開された映画「バービー」の画像ときのこ雲を掛け合わせた画像がSNS上に投稿され、映画会社の公式アカウントが好意的に反応したことが反発を広げています。

 集会では、シカゴのデュポール大学教授で広島出身の宮本ゆき氏が「広島と長崎では夏の暑い日差しのもと無数の人々が吹き飛ばされ、押しつぶされ、焼かれた」と被爆後の惨状を強調。「これがオッペンハイマーとバービーのきのこ雲の下で起きたことだ。今年の夏は原爆犠牲者の人間性が否定されることで再度犠牲を強いられた夏として記憶される必要がある」と述べました。


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