2023年8月5日(土)
“政府が透明性確保を”
ジャニー氏性加害 被害数百人規模か
国連人権理事会会見
大手芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」の創設者ジャニー喜多川氏(2019年死去)による性暴力など、日本国内の事業活動による人権侵害を調査した国連人権理事会「ビジネスと人権」ワーキンググループは4日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で会見しました。ジャニー氏の性加害に関して、調査の透明性に政府が責任を負うべきだと指摘し、同事務所による被害調査が適切ではない疑いを表明しました。
会見したダミロラ・オラウィ議長とピチャモン・イェオパントン氏は、同事務所と被害者に面談したと明かしました。同事務所のタレント数百人が性虐待の被害にあった可能性を示し、「深く憂慮すべき」だと指摘。日本のメディアがこれをもみ消してきたことにも言及しました。
同事務所によるメンタルケア相談室などの対応が不十分だとの指摘があるとし、「謝罪であれ、金銭的補償であれ、被害者の実効的救済を確保する必要」があると強調しています。
オラウィ議長は「人権侵害の告発があった場合は真剣にとらえて適切な調査をすることが必要」と主張。日本の全企業に対し、虐待に対処するよう強く促しました。
「基本的人権守れるか」
報告受け元所属タレントが指摘
![]() (写真)会見するジャニーズ事務所に所属していたタレントら=4日、東京・日本記者クラブ |
ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長による性加害問題で、元所属タレントでつくる「ジャニーズ性加害問題当事者の会」は4日、都内の日本記者クラブで会見し、この問題を世界が注目しており、基本的人権を守れるかどうか、日本全体にかかわるものだと訴えました。
会見に臨んだのは、平本淳也さん(当事者の会代表)、石丸志門さん(副代表)、中村一也さん、二本樹顕理(あきまさ)さん、志賀泰伸さんら7人。7月に国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会専門家から聞き取り調査を受けていました。
平本さんは、同日行われた国連人権理事会の報告会見について、「私たちのメッセージがストレートに伝わったものだった」と強調しました。
石丸さんは「国連の作業部会では、ジャニーズ事務所の性加害問題はあったものと認定されたと考えている」と指摘。ジャニー氏の性加害を「疑惑」と扱っているメディアがなお存在していることに触れ、「すでに『疑惑』ではない。現実に起こったことだ」と強調しました。ジャニー氏の性加害は「人類史上最悪の性虐待事件だ」と厳しく批判しました。
二本樹さんは、ジャニーズ事務所が設置した調査チームを「被害者の救済のために動いているようには思えない」と切り捨てました。
石丸さんは、メディアが長年この問題を報じてこなかったことに「メディアにも責任があると思っていただかないといけない。まずは、事実を(継続的に)報じていただきたい」と求めました。









