2023年8月4日(金)
きょうの潮流
「語り合い」という言葉を、何度も何度もかみしめた「保育合研」でした▼保育者や保護者、研究者、学生らがつどう第55回全国保育団体合同研究集会。福島県郡山市で3日間、オンラインで全国と結びながら、語り合い、つながり合いました▼保育者と保護者との間で、思いがすれ違うこともしばしばです。良かれと思って、子どもの体調のことを細かく伝える保育者。ところが働き詰めの保護者は、自分を責められたような気がして「保育園が怖い」「話をしたくない」とつい心を閉ざしてしまった話も▼保育者にも余裕がありません。どんなに時間をかけても追いつかない業務量。人手は相変わらず、足りないままです。「私たちの大変さを知ってほしい」という思いは、保護者にとっても保育者にとっても切実です。安心して自分の大変さを言葉にできる場が大切なこと。おとな同士のつながりをつくるのが保育園の役割であることを改めて確かめ合いました▼全体会で、名城大学の蓑輪明子さんは「子どものケアが優先される社会へ」と、ケア中心の政策への転換を呼びかけました。すべての人が他者を配慮して支え合う。その関係を結べる場が保育園です。大阪大谷大学の長瀬美子さんは「多様な他者と出会い、いろいろな人がいることを学べる場」と。人が人として生きていくために、保育園の役割はやはり大きい▼保育者を孤立させない。保護者も孤立させない。おとな同士、やっとつないだ手を離さないよう今できることを。








