2023年8月3日(木)
NY公立病院の看護師 5年半で4割賃上げへ
民間病院と同等に
市当局と合意
【ワシントン=島田峰隆】米ニューヨーク州の看護師でつくる労働組合「ニューヨーク州看護師連盟」(NYSNA)は7月31日、ニューヨーク市が管轄する公立病院にフルタイムで勤務する看護師の賃金を5年半で約4割引き上げることなどを内容とする新たな労働協約で市当局と合意しました。
NYSNAの発表によると、ニューヨーク市内の公立病院の看護師部門としては過去最高の賃上げです。合意した労働協約を承認するかどうかに関する組合員投票が5日まで行われます。
新たな労働協約は、フルタイムの看護師の賃金を今後5年半かけて段階的に少なくとも37%引き上げます。これによりニューヨーク市内の民間病院の看護師と同等の賃金水準にするとしています。また救急病院以外の病院についても安全が確保できるだけの看護師を配置して人員不足の解消を目指します。
ニューヨーク市が管轄する公立病院では、賃金が高い民間病院へ転職する看護師が相次ぎ、深刻な人員不足が続いてきました。
NYSNAのナンシー・ヘイガンズ議長は「公立病院の看護師はいつも社会正義と医療の平等を求めるたたかいの最前線にたってきた。歴史的な誤りを正して公立と民間の賃金平等を勝ち取ることに参加できて誇りに思う」と述べました。
NYSNAにはニューヨーク州の4万2000人以上の看護師が加盟しています。今年2月半ばからはニューヨーク市が管轄する公立病院で働く約8000人の看護師を代表して市当局と新たな労働協約について協議してきました。
労組は「民間病院との賃金の平等は市民の健康の平等」だと主張。市民とともに集会を開いたり、座り込みをしたりして賃上げや人員不足解消を求めてきました。








