しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年7月30日(日)

きょうの潮流

 連日の猛暑。各地で熱中症警戒アラートが頻発するこの夏、聞きなれないもう一つのアラートを耳にしました▼救急車ひっ迫アラート。東京消防庁が救急車の適時・適切な利用を求める目的で導入しました。7月から運用を開始し、救急出場率が90%を超えた10日、初めて発令。その後も熱中症の急増に伴い繰り返されていますが、救急車を呼ぶか迷った場合は#7119などの専用ダイヤル利用を促しています▼熱中症予防には適切な水分摂取とエアコン利用が不可欠ですが、電気代の値上げもあり利用をためらう市民も少なくありません。大阪民主医療機関連合会の昨年の調べでは、801件の調査のうち、自宅の冷房使用について「ほぼつけない」「不所持」が合わせて1割強にものぼっています▼「暑く感じない」「もったいない」などの理由が挙げられ、熱中症の背景には「貧困と孤立が」との指摘も。電気代の高騰だけでなく、生活苦や低福祉などが絡み合っています▼救急外来で熱中症の治療にあたる谷川智行医師(東京衆院予定候補)は自身のツイッターで、救急医療ひっ迫の実情とともに、自宅にエアコンのない高齢者ら熱中症患者の生活実態に言及。「若い人も熱中症で運び込まれてきます。屋外作業で過酷な働かせ方をされている影響がある」とも▼「地球沸騰の時代」とまでいわれる昨今、この暑さは生命の危機に直結します。政治と暮らし、生命は地続きです。二つのアラートから日本の社会が抱える深刻な姿が見えてきます。


pageup