2023年7月21日(金)
きょうの潮流
炎天下、走って階段を上り下りする学生の集団を見かけました。運動部のトレーニングでしょうか。くたくたの姿をみていると心配になります▼この暑さでスポーツの場でも病院に運ばれるケースが相次いでいます。熱中症の対策をとっても倒れたり具合が悪くなったり。そんななか世界的な陸上競技選手だった為末大(ためすえだい)さんがこんな提言を。「夏季期間において10―17時は18歳以下のスポーツ大会を禁止する」▼日本スポーツ協会は「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」で、35度以上では原則運動を禁止する(特に子ども)とのガイドラインを示しています。今の日本は気温の上昇が著しく、それに従えばすでに大会もトレーニングもできない状況が続いていると▼昔とはちがう危険な暑さ。実際、東京周辺で30度以上となる時間数は80年代前半には年間200時間程度でしたが、2000年代に入ると約2倍に増え、時間も範囲もどんどん広がっています▼命や健康を脅かす暑さは働く人たちにも。熱中症による労働災害は増加傾向にあります。ギリシャのアテネにある世界遺産アクロポリスでは、従業員らが猛烈な暑さを理由にストライキを決行するといいます。観光客だけでなくスタッフの健康を守るために▼これまでとは異なる対応が求められる暑さ。しかし現実には、エアコンをつけてと呼びかけられても電気代が高くてちゅうちょしてしまうという声も。気候危機とともに目の前に迫る危険への対処を国は真剣に考えるときです。








