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2023年7月17日(月)

独コロナ後遺症支援を強化

医療・研究に62億円

 【ベルリン=吉本博美】ドイツ連邦政府が新型コロナウイルス感染の後遺症患者に対する支援を強化すると表明しました。ラウターバッハ保健相は12日の記者会見で、医療・研究の充実に約4000万ユーロ(約62億円)の予算を投入し、専用ウェブサイトや電話相談窓口を設置すると発表しました。

 ラウターバッハ氏は「残念ながら、後遺症を抱える人にとって、パンデミック(世界的流行)は終わっていない」と強調。連邦保健省は、後遺症への関心を高め、患者と共に標準的な治療法を探るために取り組むとしています。急性のコロナ感染から回復した後も長期間続く後遺症については、不明な点が多く、世界的に研究が求められています。

 専用サイトでは、専門家による後遺症についての最新の知見や、専門医や治療法に関する情報を提供。来年以降、後遺症の治療に関する研究に2100万ユーロを充当。公衆衛生問題を管轄する連邦合同委員会からさらに2000万ユーロの研究予算が出ます。今秋には当事者が参加する円卓会議を開きます。

 ドイツ国内のコロナ後遺症患者は100万人以上と推計され、身体・認知機能の低下により就業が困難になったなどの相談が後を絶ちません。独フランクフルト大学の推計では、コロナ後遺症が与える経済損失が2021年で57億ユーロに上ります。


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