しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年7月16日(日)

きょうの潮流

 トラブルが相次ぐマイナンバーカード。「『誰一人取り残さない』デジタル化の実現」と岸田自公政権は宣伝します。実態はどうなのか―▼証明写真に頭部を支える車いすのヘッドレストが写りこんでいた、全盲のため黒目が写っていない…。そうした理由で写真の撮り直しを求められた障害者ら。カード作成からはじかれてしまいます▼重度障害のため意思表示ができない人に代わり、家族が作成にかかわるのも厄介です。健康保険証と一体化するなら、医療が欠かせない重度障害者への保障こそ必要なのではないか。「障害者を排除する政府の姿勢は許せない」と憤りの声が上がるのも当然でしょう▼幼少期にポリオを発症し手足にまひがある女性(72)は「デジタル化でかえって不便になっています」と。スーパーで支払いをするとき、車いすからはセルフレジの精算機タッチパネルに、手が届きません。周りの人にタッチパネルを操作してもらうには数回頼む必要が。デジタルバリア(障壁)だと訴えます▼視覚障害者の場合、タッチパネルに手が届いてもタッチする場所がわかりません。視覚障害のある山城完治さんは「デジタル化で、やれることが遠ざかっています」。そこには多くの人を取り残しながらすすめられている現状が▼1981年の国際障害者年にちなんで、国連決議文は指摘しました。「ある社会がその構成員のいくらかの人々をしめ出すような場合、それは弱くもろい社会なのである」。岸田政権にこのことばを届けたい。


pageup