2023年7月15日(土)
米俳優組合スト
16万人が待遇改善求める
AI規制も要求
【ワシントン=石黒みずほ】全米映画俳優組合(SAG―AFTRA)は、制作会社らとの契約交渉が決裂したことから、14日からストライキに入ることを13日に決定しました。同組合のストの実施は43年ぶりで、全米脚本家組合(WGA)は5月からストを続けており、両組合が同時にストを行うのは63年ぶりとなります。
全米映画俳優組合は、ハリウッド俳優やアナウンサーなど約16万人を代表。同組合はWGAと同様、基本給や動画配信サービスによる作品の再使用料の引き上げ、俳優の声や容姿を再現できる人工知能(AI)の規制などを求めてきました。この間、契約期限を延長し、連邦政府も調停に入ったものの、合意に至りませんでした。
全米映画俳優組合は13日の記者会見で、理事会が全会一致でストを承認したと発表。同組合代表で俳優のフラン・ドレシャーさんは、制作会社側の対応について「経営トップには何億ドルもの報酬を出しておいて、どうしてお金がないなどと言えるのか。『もうこれ以上受け入れない』と言わなければならない」と訴えました。
制作会社や動画配信会社を代表する全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)は「歴史的」な契約を提供したと主張し、「全米映画俳優組合が交渉の場を去る決断をしたことに深く失望している」と述べています。
同組合は交渉が決裂した場合にストを実施することを、98%の賛成で決めていました。
契約期限が迫る中、メリル・ストリープさん、ベン・スティラーさんら著名なハリウッド俳優を含め1000人以上がストに参加する意向を表明。俳優のジェイミー・リー・カーティスさんは12日にSNSで、現代において役者として存在する権利のためのたたかいだと指摘。「私の演技は機械では再現できない。組合を力強く支持する」と述べました。








