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2023年7月14日(金)

NATO首脳会議閉幕

核戦力を誇示し核禁条約を敵視

首脳宣言

 11日発表された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の首脳宣言は自らの核戦力を誇示する一方、核兵器禁止条約について「同盟の核抑止政策と対立し、矛盾し、相いれない」と述べ、「現在の安全保障環境を考慮していない」など敵視の姿勢を鮮明にしました。

 宣言は、ロシアの核戦力強化と近代化、核兵器使用の可能性に言及するなどの脅迫を非難し、中国が核兵器を急速に拡大し多様化させていると警告しています。

 一方で、NATOの核戦力について「平和を維持し、脅迫を防ぎ、侵略を抑止するためには、核兵器が唯一無二の存在だ」と強弁。米国の戦略核戦力を「同盟の安全保障の最高の保障である」との従来の立場を繰り返し、「NATOの核戦力の近代化継続と同盟国の核戦力の柔軟性と適応性を高める計画を更新する」と、核軍拡をすすめる方針を示しました。

 核兵器禁止条約についての記述は、同条約発効後最初となった2021年のブリュッセルでの首脳会議では「NATOの核抑止政策と相いれない」となっていました。今回は「対立し、矛盾し、相いれない」と表現を強めました。

 また、宣言は、21年のコミュニケ同様、NATOパートナー諸国や他のすべての国に対し、「禁止条約が核不拡散条約を含む国際平和と安全保障に与える影響について現実的に考えるよう呼び掛ける」とけん制しています。

 22年の核兵器禁止条約第1回締約国会議(ウィーン)には、NATO加盟国のドイツ、オランダ、ベルギー、ノルウェー、当時未加盟だったフィンランド、スウェーデンがオブザーバー参加。NATOパートナー国では、オーストラリアがオブザーバー参加し、非核政策を国是とするニュージーランドは同条約を批准しています。(片岡正明)


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