2023年7月12日(水)
北海道 ウポポイ開業3年
紙氏が記念式典で交流
![]() (写真)話を聞く紙氏(左から2人目)=8日、北海道白老町 |
国立アイヌ民族博物館などを中核施設とするウポポイ(=民族共生空間、北海道白老町)が12日で開業3年を迎えるのを前に8日、記念式典が開かれ、日本共産党の紙智子参院議員(党先住民〈アイヌ〉の権利委員会責任者)が出席しました。
式典後、懇談したのは、白老アイヌ協会の岡田路明事務局長と、パートナーでアイヌ文様刺しゅう作家の育子氏、『日高國 新冠御料牧場史』で明治・大正期のアイヌ民族強制移住の歴史を明らかにした山本融定氏です。
紙氏は通常国会で、新冠(にいかっぷ)御料牧場での強制移住を告発した質問会議録を手渡しました。
山本氏は、道立高校教師だった約6年間、新冠、静内(現・新ひだか)、平取(びらとり)各町に通い、御料牧場内のアイヌを平取町上貫気別(かみぬきべつ)に強制移住させた事実を聞き取りしました。「傍証をとるために関係者を何人も訪ねました」
家畜改良センター新冠牧場で保管する御料牧場時代の資料を国立公文書館に移管させるために尽力した紙氏。山本氏は歴史研究者として「散逸させる前に移管されて本当によかった」と述べました。
岡田路明氏は「御料牧場のアイヌ強制移住は、ウポポイでしっかり展示すべきです。アイヌ民族への歴史の責任が日本政府にあることが分かる展示ではない」と言います。育子氏がサークルで住民とつながり、アイヌ民族の文化への理解を広げ、「アイヌ民族の“いま”を伝える展示も充実してほしい」と注文しました。
紙氏は「私も、アイヌ民族の同化政策の展示が不十分だと政府担当者と意見交換しました。みなさんの意見が反映されるよう頑張ります」と応じました。立野広志衆院9区予定候補が同行しました。









