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2023年7月12日(水)

7月24日までに党員・読者で前進のめどをつけ、7月目標達成を必ずはかろう

7月10日 中央委員会幹部会

 7月10日、午後1時半~5時まで幹部会会議を開催し、第8回中央委員会総会決定の実践について、以下の諸点を確認・決定しました。


写真

(写真)幹部会の冒頭、あいさつする志位和夫委員長=10日、党本部

志位委員長の発言

 活発な討論がつづいていますが、8中総決定が党を変える力をもっている、党員と支部に深いところから元気をつくっていく大きな力があることが全国の討議の経験から語られています。

 とりわけ、この間の反共攻撃などのもとで、“情勢負け”ともいうべき傾向が少なからず党内にあるもとで、率直に疑問や意見をぶつけあい、とことん腑(ふ)に落ちるまで内容を深めていく議論を、時間を惜しまず行えば、必ず前向きの意思統一がはかられることに確信をもつことが大切です。討論では、全党の議論のなかでキーワードになっている「政治対決の弁証法」「革命政党」「組織のあり方」といった焦点について、掘り下げて意思統一することの重要性が語られていますが、どの問題でも徹底した議論を行えば前向きの強固な団結がはかられることが明瞭になっています。

 この党の命運のかかった決定の全党徹底を最後までやりぬく。すべての党員に決定を届け、読了し、すべての支部で討論を行うことに、最後まで力をそそぐことを、まず心から訴えるものです。

 会議の冒頭に、編さんが完了した「日本共産党の百年」のあらましと、その一番の中心点――「階級闘争の弁証法」の観点を「百年史」にも貫いたことをお話ししました。製本された「百年史」を全国にお届けするのは24日からの週になると思いますが、その原稿をお渡ししましたので、8中総の政治討議にも役立てていただきたいと思います。

「どうする7月・党勢拡大」を正面にすえた徹底議論を

 そのうえでとくに強調したいことがあります。

 決定の全党徹底と一体に、いま特別に力をそそぐべきは、この7月から必ず党勢拡大で後退から大前進に転じる、そのために何が必要かというところにズバリ焦点をあてて、徹底的な議論を行い、実践に踏み出し、必ずや一大変化をつくりだすことです。

 そのためには4点が必要です。

 第一は、7月にいかにして大前進をはかるかということ自体を正面からの主題にして、本音をぶつけあって討論し、具体化していく機関の取り組み、機関の会議を緊急に行うことです。

 幹部会会議では、福岡県の福岡西部地区委員会の経験が報告されましたが、その経験はきわめて教訓的でした。この地区委員会では、3割増の達成のためには、「毎月、毎月、8割の支部が党員を増やす」ことが必要になるということを、地区委員長が正面から提起し、突っ込んだ議論を行い、党員拡大に踏み出しています。

 地区委員会の議論のなかでは、とくに重要だと感じたのは、「毎月、毎月8割の支部が党員を増やす」ことを正面にすえた論議のなかで、深い政治論の意思統一、思想的な意思統一を行っていることです。

 3割増の達成について、「政治対決の弁証法」という立場で、その政治的意義を深く議論しています。この間、支配勢力は、党の綱領と組織のあり方という、いわばわが党の「心臓部」に攻め込む攻撃をしている。だったらこれをはね返す最大の回答は党勢拡大だと、政治論で本気の意思統一をやっています。

 それにくわえてこの地区委員会では、ものの見方、考え方――思想的な議論をやっているとのことでした。地区委員のベテランの男性の同志が、地区委員長の提起に、「それでもやりきる自信がない」と発言した。それに対して、地区委員の女性のベテランの同志が、宮本百合子の「自信のあるなし」(1940年執筆)を紹介して、議論になったと言います。

 百合子は、このエッセーのなかで、こうのべています。

 「一体自信というものは、そのように好結果の見とおしに対してだけいわれる筈のものだろうか。成功し得る自信というしか、人間の自信ははたしてあり得ないものだろうか。私はむしろ、行為の動機に対してこそ自信のある、なしとはいえるのだと思う。あることに動こうとする自分の本心が、人間としてやむにやまれない力におされてのことだという自信があってこそ、結果の成功、不成功にかかわりなく、精一杯のところでやって見る勇気を持ち得るのだと思う。その上で成功すれば成功への過程への自信を、失敗すれば再び失敗はしないという自信を身につけつつ、人間としての豊かさを増してゆけるのだと思う」

 地区委員の女性の同志は、百合子のこの一文を引いて、「行為の動機」に対してこそ自信をもつ――3割増が絶対に必要ということに自信をもつことこそが大事なのであって、あとは精いっぱいやってみる勇気をもとうと訴えました。そうしたところ「自信がない」といっていた男性の同志も、「やっぱりやるしかないですね」となって、深い意思統一ができたとのことでした。ものの見方、考え方、思想的なレベルまで深く意思統一して、やろうと決めて前進が始まっています。

 政治的に、さらには思想的に、7月の大前進を正面にすえた機関の討議がやられているかどうかが問題です。そこまで行っていないのであれば、福岡西部地区委員会のような討議を、緊急の会議を開いてでもやらなければなりません。

 8中総決定の全体を受け止め、議論していくことは、当然、必要ですが、それだけでは足らない。その上に立って、7月の党勢拡大の大前進をどうやってかちとるか――「どうする7月・党勢拡大」を正面にすえた討議をやらないと進みません。それがやられているかどうかが非常に大事な点であります。

指導的同志が支部に入り、「私の8中総」を大いに語り、一緒になって行動を

 第二は、これも何人かの同志の発言で実践例が語られましたが、指導的同志が自分の言葉で8中総の大事な点はここだ、自分は8中総を読んで、この点が胸に落ちて、この方針を何としてもやらなくてはならないと思った――いわば、「私の8中総」――8中総に対する自らの思いを、どんどん支部に入って語って、支部のみなさんと一緒になって行動を起こしていくことを訴えたいと思います。

 県委員長の同志から、「8中総について、すでに8回語った。語れば語るほど、この決定のもつ重要性、その力がよく理解できるようになってきている気がする」との発言がありましたが、こうした取り組みを、すべての指導的同志がやるようにしていくことを呼びかけたいと思います。

 指導的同志のみなさんの読了を一刻も早くやりぬくことが大切です。指導的同志とは、都道府県・地区役員、地方議員、支部長、支部指導部であり、全国で約3万人います。そのうち現時点で約2万人が8中総を読了しています。

 2万人の同志たちは、それぞれの受け止めがあると思いますが、それぞれなりに心を動かされ、決意をもっておられると思います。こうした同志たちが支部に入って8中総を自分の言葉で大いに語りに語りぬく。そして一緒になって足を踏み出していく。党員でも読者でも拡大に踏み出していく。これを今、一刻を争って、いっせいにやることを心から訴えます。こういう取り組みを、ぜひ全国でいっせいにやろうではありませんか。そうすれば、状況を一挙に変える第一歩が踏み出せることは疑いありません。

「手紙」と「返事」の取り組みを徹底的に力にし、発展させる

 第三は、これも何人かの同志が発言で強調しましたが、「手紙」と「返事」の取り組みを徹底的に力にしていくことは、「大運動」の取り組みを発展的に成功させる根本中の根本だということです。

 8中総の結語で埼玉の荻原県委員長の発言を引きました。荻原同志は、「(『返事』を)個人で読んだだけで、県の常任委員会で一つひとつの『返事』について集団で議論して、対応を練ってきたのかどうか。そういう指導・活動を県常任委員会が地区委員会に対してやったのかどうか、この点がきわめて不十分だと思いました」と率直に語りました。

 7中総いらい、「手紙」と「返事」の取り組みという、今後の党の発展にとって巨大な土台になる仕事をやってきたわけで、その「返事」の中にたくさんの前進への足掛かりがあるわけです。宝石があるわけです。「返事」に含まれている支部の決意、計画を一緒になって実行していく。困難を一緒になって打開していく。これが一番中心的な機関の仕事だと思います。この点で、全国の党機関で、支部からの「返事」をパンフレットなどの形でまとめて、つねにそれに立ち返り、ともに前進をはかる努力が始まっていることは重要であります。

 8中総の幹部会報告が、中央に寄せられた「返事」に対して、真剣に受け止めて、ともに打開していく方向を示したことが、支部の同志から強く歓迎されています。このことに自信をもって、この「双方向・循環型」の活動を、一貫して、この7月から強めていく。まだ、「手紙」に「返事」を出していない支部には、「返事」をお寄せいただき、全支部運動にしていく。この活動を一貫して握って離さずやることにこそ、運動を末広がりにして成功させる最大の保証があります。この取り組みを7月からやりぬき、一貫して発展させることを心から訴えるものです。

「ミニ集い」を日常的に、繰り返し、徹底的に取り組み、増やしていく

 第四に、どうやって増やすかですが、討論でも多くの同志がのべたとおり、まずは党員拡大から起こしていこうとの方針ですが、すでに開始されつつある共通した法則的活動は、「ミニ集い」にあります。「ミニ集い」を徹底的にやることにあります。そのさい、「集い」を構えて参加者を集めるというだけでなく、「訪問先でのミニ集い」――スマホなども使っての「ミニ集い」もどんどんやっていくようにしたい。

 中央が提供した資材は、たいへん歓迎されています。動画「18問18答」、「改定版はてなリーフ」、「カラーパンフ」、この3点セットを使ってとことん「ミニ集い」での働きかけを、日常的に、繰り返しやっていく。

 これをどのくらいの規模で、どういうようにやっていくか、その具体的な計画がどこまで明確にされているのか、ただ一般方針として強調して、あとは自然発生的にがんばろうというのでなく、どういう具体的な計画をもってこれに取り組んでいくのか、これが重要な点であります。

討論の結語と提案

8中総決定の徹底では確かな前進の流れ――これを全支部・全党員のものに

 この幹部会は、7月に二つの大仕事をいかにしてやりぬくかが議題でした。

 第一の大仕事、8中総決定の徹底した議論と具体化については、間違いなく確かな前進の流れが起こっていることが確認できた会議となりました。

 “情勢負け”ともいうべき状況が少なくなく党内にあるもとで、「率直な議論をやる」「徹底的な議論をやる」「腑に落ちるまで議論をする」――この姿勢での討議が、少なくとも都道府県・地区機関では一定程度始まっている、そしてさまざまな党内にある疑問を解決し、「何となく元気がでない」といった気分を払拭(ふっしょく)し、新しい活力がぐっと湧きおこり、みなぎる状況が生まれつつある。そうした確かな流れが、いま起こりつつあることが確認できました。

 8中総決定は、そうした力をもっていることに自信をもち、この7月、これを全支部、全党員のものにするまで最後まで力を尽くすことを確認したいと思います。

党勢拡大で後退から大前進に――こちらはまだ始まっていない

 そのうえで、7月の第二の大仕事、すなわち7月に必ず党勢拡大で後退から大前進に転換する、こちらの仕事は、率直にいって、まだ始まっているとは言えないというのが到達点であります。党員拡大運動の到達点を見ても、働きかけの数も、入党者の数もまだ取り組みが始まっているといえる数字ではありません。こちらは全党的にまだ始まっているとはいえないのです。

 「どうする7月・党勢拡大」を正面に据えた取り組みはこれからの課題であります。それをやりぬくうえで、発言でのべた4点をただちに具体化・実践することが重要であります。

 第一は、「どうする7月・党勢拡大」――7月の党勢拡大を前面にすえた徹底討議を行う、これ自体を議題の前面に据えて徹底討議をやる。

 第二は、指導的同志が、支部に入って、支部と一緒になって党員拡大を根幹にした党勢拡大を起こしていく。

 第三は、「手紙」と「返事」の運動です。これを徹底的に力にして「双方向・循環型」の活動を実らせる最初の一歩を踏み出す。

 第四は、徹底的に「ミニ集い」に取り組む。構えて「集い」に集まってもらうだけでなく、どんどん訪問して動画を見ていただいて、その場でどんどん入ってもらうというような活動も含めて、徹底して「ミニ集い」に取り組む。やれるだけやるというのではなく、ここまでやるという具体的な目標と計画をもって取り組む。

 この四つを緊急に、これから起こすことが必要であります。そのために都道府県も、地区も、党機関として緊急の会議をもつことを強く訴えます。そういう意思統一がやられていない党機関では、緊急の会議をもってでも、何としても「どうする7月・党勢拡大」を正面にすえた意思統一と実践をやる必要があります。

 討論のなかで、「どうする7月・党勢拡大」――7月にどうやって増やすか、これを正面にすえてこそ8中総の真髄もつかめるという発言がありました。その通りだと思います。いまはそういう活動に力をそそぐべき局面であります。

 8中総の議論をやって、「内容はよく分かった」、「いいことが書いてある」、「疑問がすっきりした」となるだけでは足りません。そこから先が重要であり、そこから先はまだ足が出ていないという状況なのですから、ここを突破しなくてはなりません。

 福岡西部地区委員会がやったように、「どうする7月・党勢拡大」を正面にすえて徹底議論するなかで、政治論も議論する、宮本百合子の「自信のあるなし」の精神で、思想的な意思統一も深くはかる、目標をやる自信があるかないかではなく、やるべきことに確信があるかないかで意思統一をはかる。福岡西部地区は、「どうする7月・党勢拡大」を正面にすえて政治討議をやり、思想的な議論もやり、8中総の真髄をつかんでいったわけです。いまはここに力を入れるべき局面であります。

あと2週間で局面を変える――すべての都道府県・地区委員会で前進のめどを

 そこで、最後に提案があります。今日は7月10日です。それぞれの都道府県・地区委員会では、7月の党勢拡大の目標をもっていると思います。「最初のハードル」――前大会時現勢の回復・突破をいつまでにやるか、7月とか、8月とか、9月とか、それぞれ期限を決めてきています。そして、その第一歩として7月の党勢拡大の目標をもっていると思いますが、それをやるうえでも、あと2週間で局面を変える必要があります。

 2週間後、7月24日にまた幹部会をもちます。この幹部会までに、すべての都道府県・地区委員会で、党員拡大と読者拡大の両方で、7月前進のめどがたつところまでもっていく。7月24日までに、7月は前進する、党員も読者も前進する。そこまでもっていく。そうしたら、あと1週間は、増やしただけすべてがプラスになります。そういう取り組みをやりぬくことを提案したい。

 そういう取り組みをこの7月からやらなくては、「大運動」の成功はありません。7月もまた、月末になって、「増か、減か」という取り組みになったら、これは賽(さい)の河原の石積みで、いつまでたっても目標は近づいてこない。だから少なくとも、7月24日までにすべての都道府県・地区委員会で前進のめどがつくところまでもっていくということを、幹部会の決定として確認をし、全党に呼びかけようではありませんか。そして、われわれがこれを先頭に立ってやりぬくということを決定することを提案するものです。

 (この提案を受け、幹部会として提案を確認・決定した)


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