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2023年7月9日(日)

きょうの潮流

 献金のしかばねの上に築き上げた城―。元2世信者がそう呼ぶ豪華施設が韓国の清平(チョンピョン)にあります。統一協会が聖地とする場所に今年5月、総工費500億円ともいわれる「天苑宮」が完成しました▼本紙取材班によると、リゾート開発も進行。日本の信者に1家庭あたり183万円もの献金が呼びかけられ、協会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁は「伝道」を10倍化するよう指示しました。多くの人びとを破滅に追い込んだ組織の実態は今も変わりません▼安倍元首相の銃撃事件から1年を前にして、最近の韓総裁の発言をメディアがとりあげています。「日本は原罪の国。賠償すべき」「日本の政治家と岸田をここに呼びつけ、教育を受けさせなさい」。巨額の吸い上げや日本の政治を支配する欲望がありありと▼この組織の反社会的な活動とともに、長きにわたる自民党との深い関係が明らかになった安倍氏への襲撃。しかし被害者の救済をはじめ多くの問題は未解決のままです▼関係を断つことを党の基本方針として徹底すると公言していた岸田首相も、本人任せのおざなりの対応に終始。協会の違法性を追及してきた全国霊感商法対策弁護士連絡会は、協会と政治家の癒着を明らかにして関係を断絶するよう改めて求めています▼事件発生から1年となった8日には、各地で献花や追悼する姿が見られました。決して許されない行為にまで至った、つよい憎しみとは…。暴力による悲劇をくり返さないためにも、社会に巣くう闇を解き明かさなければなりません。


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