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2023年7月5日(水)

きょうの潮流

 「記事を読んで、第三者委員会って何なのか知りました」。読者の方からこんな電話がありました。わが子への長期にわたるいじめ体験の告発とともに▼いじめで重大な被害を受けたり、自殺したりした時などに、専門家らによる第三者委員会が設置されます。もっと早く学校や教育委員会が対応すれば、こんなに傷つくことも、命が失われることもなかった…。やり切れなさが募ります▼「指導死」で次男を亡くした大貫隆志さんは、遺族の立場から各地で委員を務めてきました。なかなか設置されない、せっかく設置されても不十分な調査で終わることも多い現状に、警鐘を鳴らします▼子どものことをきちんと調べてこそ、その姿が見えてくる。何が原因か、あるいは原因と思われるかに迫る。そこまでしてようやく遺族は「気持ちがわかってもらえた」と“とば口”に立てる。大貫さんはこう語ります▼せっかくの委員会も人選が偏っている場合があります。佐賀県鳥栖市の佐藤和威さんは、中学時代の激しい暴力や恐喝行為などで重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいます。事件から10年以上をへて、市教育委員会が第三者委員会を設置。和威さんは、公正な調査を保障しない委員を外すよう要望しましたが、市教委は応じないまま1回目の会合が開かれました▼形だけ整えても、子どもは救われません。気づいた時にどうすればすぐ対応できるのか。命が守られる学校へ、そのヒントとなる調査が進むよう願うばかりです。


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