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2023年7月3日(月)

きょうの潮流

 土砂に押しつぶされ泥にまみれた家々。その前でぼうぜんと座り込む、お年寄りの姿が目に浮かんできます。28人が犠牲になった熱海・伊豆山の土石流災害からきょうで2年となります▼いまは、9月の警戒区域解除にむけて整備が進められていますが、すぐに戻ることができる被災者は少ない。盛り土が崩落した責任を追及する裁判や捜査がつづく一方で、この災害を教訓にした「盛土規制法」も動き出しました▼この時期になると、記録的な大雨が甚大な被害をもたらすケースが近年相次いでいます。2017年の九州北部豪雨、翌年の西日本豪雨、そして球磨川が氾濫した20年の九州豪雨とつづき、今年もまた九州や山口県を中心に土砂崩れや浸水被害が起きています▼なぜ7月上旬に集中するのか。気象庁は大雨になりやすい条件が重なるためだといいます。梅雨前線の北上で大気が不安定となり、積乱雲が発達しやすくなる。海面の水温が高くなる「エルニーニョ現象」で大量の水蒸気が流れ込むと▼頻発する豪雨には地球温暖化の影響もあります。このままではさらに雨量が増え、被害地域も広がっていくと予測する専門家もいます。気候変動に対応した流域治水や、街の雨水処理能力をこえる内水氾濫への早急な対策が求められています▼熱海土石流の被害者の会の1人は同じ思いの被災者を代弁するように。「こういうことはもうなくなってほしい。再発防止までしっかりやりたい」。それは、この国の政治にも向けられています。


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