2023年7月1日(土)
OSAでODA壊れる
紙氏に参考人 非軍事原則問われ
参院ODA沖北特委
![]() (写真)参考人に質問する紙智子議員=4月28日、参院沖縄北方特別委 |
参院ODA沖縄北方特別委員会は4月28日、開発協力大綱の在り方と開発協力の諸課題に関する参考人質疑を行いました。日本共産党の紙智子議員は政府開発援助(ODA)の非軍事原則が果たしてきた役割と、政府安全保障能力強化支援の枠組み(OSA)により同原則が形骸化するのではないかと質問しました。
国連世界食糧計画(WFP)日本事務所の焼家直絵代表は、紛争地に食料を届ける場合、「停戦の合間に武装勢力、政府勢力双方と交渉する。間違われると撃たれることがあり、非軍事というのは非常に重要だ」と答えました。
特定非営利活動法人(NPO)国際協力センターの若林秀樹理事は、人間開発や人権保障というODA本来の基本が「日本の中立性を守っているのは間違いない」と強調。「単視眼的な政策でOSAに踏み切るのはどうなのか。日本政府の支援として加担すれば分断を招き、積み重ねてきたODAの財産が壊れかねない」と指摘しました。
開発協力大綱有識者懇談会の中西寛座長は、大綱に自由で開かれたインド太平洋(FOIP)が入っていることについて「インド太平洋は重要な地域で、そこを中心に世界の課題を考えなければいけない」と発言。紙氏は、「地政学的な分断は国際協力を弱体化する、平和の分断を解消しなければならない」とのグテレス国連事務総長の国連総会演説を紹介し、FOIPが支援国の分断を生む可能性は否定できないと指摘しました。









