2023年7月1日(土)
最賃改定の審議スタート
労組「全国一律1500円に」
政府方針1000円では実質賃金向上せず
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最低賃金引き上げの目安を決める中央最低賃金審議会(中賃審)が30日、厚生労働省ではじまりました。岸田政権は、現行の全国加重平均961円を1000円に引き上げる方針を示していますが、労働組合からは、「これでは物価高騰に追いつかず、地域間格差が解決しない」として、全国一律化と1500円の実現に踏み出す大幅引き上げを求める声が起こっています。
中賃審で、加藤勝信厚労相が「全国加重平均1000円を達成する」とした政府方針を説明し、調査審議を求めました。
加藤氏は「実質賃金をプラスにしていくことが重要だ」と指摘。昨年の最賃改定が「31円、3・3%増と過去最高の引き上げだった」と誇りましたが、「昨年度後半の消費者物価指数は前年同月比4~5%増で推移した」と述べ、物価高騰に追いついていないことを明らかにしました。
岸田政権の目標「全国加重平均1000円」を達成しても、引き上げ額は39円、約4%増にとどまり、実質賃金は向上しません。
厚労省前では全労連や全労協などが行動し、小畑雅子全労連議長は、「平均1000円という目標では、219円もの地域間格差は解決せず、多くの県は1000円未満に取り残される」と批判しました。
また、中賃審の目安小委員会は、審議の公開範囲を広げるよう求めた4月の全員協議会報告にもとづき、公益、労働者、使用者3者がそろった審議部分を公開。この日は、実質賃金下落や消費者物価指数上昇など統計資料の確認が行われました。