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2023年6月23日(金)

不備ループ 国を提訴

事業者、賠償と権利救済求め

東京地裁

写真

(写真)不備ループ問題で提訴した梶氏(左から2人目)と弁護団、支援者=22日、司法記者クラブ

 コロナ禍の個人事業主、中小法人を支援する国の給付金を申請しようと書類を何度提出しても突き返される「不備ループ」に陥り、給付されなかったとして22日、二つの事業者が国に損害賠償を求めて東京地裁に集団提訴しました。

 原告のハマダヤ食器(千葉県木更津市)代表取締役、梶千恵子氏(58)は月次支援金不支給分、79万4118円、別の原告(63)=製本業・印刷加工業=は一時支援金不支給分60万円と、それぞれ100万円の慰謝料を請求しています。

 2021年3月から10月までコロナ禍で減収した個人事業主、中小法人のための一時支援金、月次支援金の審査事務を国がデロイト・トーマツ社に委託。両原告は、申請書類の不備を指摘され、不備内容も明示しない審査部門、有効な助言をしないサポート部門の間でたらい回しにされた挙げ句、不支給とされました。

 司法記者クラブで会見した梶氏は、4、5月分の支援金が支給され、6月分から申請しても何十回も不備通知が来て「時間的、精神的、金銭的消耗を強いられ、強い怒りをおぼえる。不当な扱いについておかしかったという公正な判断をいただきたい」と述べました。

 別の原告は「父が残してくれた会社です。乗り越えてやっていきたい一心で訴えることにしました」と語りました。

 弁護団の小部正治弁護士は、専門的知識のない者による審査、安易な民間委託、申請者に寄り添わない国の姿勢を批判し、事業者の権利救済を求める訴訟の意義を述べました。

 不備ループ問題を世に問い、正そうと発足した「不備ループを解消する会」(東京・新宿民商内)会員の武田武氏が訴えました。


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