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2023年6月21日(水)

中国訪問 米国務長官が会見

関係安定へ合意

 【ワシントン=島田峰隆】ブリンケン米国務長官は19日、北京で中国の習近平国家主席と会談した後、訪中を締めくくる記者会見を開きました。ブリンケン氏は中国側に「高官レベルでの直接関与と意思疎通の維持が、意見の違いを責任を持って管理し競争が紛争になることを防ぐ最良の方法だ」と伝えたと表明。中国側も同意したとし、「両国は関係を安定させる必要性について合意している」と強調しました。


 ブリンケン氏は「自由で開かれた、安定した繁栄する世界やルールに基づく秩序という未来へのビジョンを推進する」と表明。その未来に向けて「中国を含めた外交」に取り組むと語りました。気候変動、マクロ経済の安定、公衆衛生など「相互に利益がある分野では中国と協力する用意がある」と指摘しました。

 ブリンケン氏は「今回の訪中では、開かれた意思疎通のチャンネルの確立、懸案事項の直接的な提起、相互に利益がある分野での協力模索のすべてについて取り組めた」と強調しました。

 一連の会談では、ロシアによるウクライナ侵略、核・ミサイル開発を進める北朝鮮、台湾問題、中国が進出を強める南シナ海や東シナ海、新疆ウイグル自治区や香港、チベットの人権問題なども議論したといいます。

 ブリンケン氏は、台湾問題をめぐって米国の「一つの中国」の政策は変わらず、一方的な現状変更へ反対する立場を伝えたと指摘。「米国や多くの国々は中国による近年の挑発的な行動を深く懸念している」と述べました。

 ブリンケン氏は、米中の経済関係について「米国は中国を経済的に封じ込めることは追求していない」と表明。米中経済を切り離す「デカップリング」ではなく、中国経済に依存する危険を減らす「デリスキング」を進めるとしました。


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