2023年6月20日(火)
米中外相会談
「意思疎通を維持」
【ニューヨーク=島田峰隆、香港=小林拓也】中国を訪問中のブリンケン米国務長官は19日、中国外交トップの王毅(おう・き)中国共産党政治局員と北京の釣魚台迎賓館で会談しました。これに先立つ18日、ブリンケン氏は秦剛国務委員兼外相と会談し、米中間の「誤解の危険」を減らすため「意思疎通のチャンネルを維持」することで一致。対話継続のため秦外相が今後訪米することを確認しました。
米国務長官の訪中は約5年ぶりです。外相会談は、夕食も含めて7時間半に及びました。ブリンケン氏は会談で「数多くの懸案事項」とともに「米中の利益が一致する問題で協力を模索する機会」があると提起。そのうえで「米国は常に自国民の利益と価値観を守る。自由で開かれた世界に向けたビジョンを推進し、国際的なルールに基づく秩序を守るために、同盟国やパートナー国と協力する」と述べました。
秦氏は、現在の米中関係は国交回復(1979年)以来「最も低調だ」と述べ、「安定し、予想可能で、建設的な両国関係を築きたい」と表明しました。米国に対し「客観的で理性的な対中認識を持ち、冷静に理性的に偶発的事件などを処理すべきだ」と要求。米中関係のこれ以上の悪化を防ぎ、関係を安定した軌道に戻したいと訴えました。
中国が「核心的利益の中の核心」と位置付ける台湾問題で秦氏は、両国関係の「最も重大な問題であり、リスクが最も突出している」と強調。米国に対し、「一つの中国」原則を守り、「台湾独立」への不支持という約束を実行すべきだと求めました。








