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2023年6月19日(月)

「合意至らなければスト」 労働者、圧倒的多数で承認

米輸送大手UPS

環境改善が最重要

 【ロサンゼルス(カリフォルニア州)=石黒みずほ】全米運輸労組(チームスターズ)に加盟する米小荷物輸送最大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の労働者は16日、新たな労働協約の交渉で合意に至らなかった場合に、ストライキを実施することを圧倒的多数で決めました。ストが実施された場合、単独の企業に対するストでは米史上最大規模となります。

 チームスターズは、全米のUPSで働く配送員ら約34万人を代表し、投票では有資格者のうち97%が賛成票を投じました。現行の労働協約は7月31日が期限となっています。

 チームスターズのオブライエン議長は、投票結果は「労働者が団結し、最善の労働協約を勝ち取る決意をもっている」ことを示していると述べました。

 UPSの労働者はこれまで、配送車内のエアコン設置など労働環境の改善を最重要課題に位置付けてきました。米労働省の労働安全衛生局のデータによると、2015年から高温が原因の病気にかかったUPSの労働者は少なくとも145人。テキサス州では従業員が死亡し、調査が続いています。

 組合は新たな労働協約に向け、4月からUPSと交渉を継続。これまでの運動が実を結び13日には、24年以降に購入する配送車にエアコンを配備することが、暫定合意に盛り込まれました。

 組合は、▽既存の配送車にもエアコンを設置する▽役職間で生じる大きな賃金格差を解消する▽超過労働をなくす▽カメラ設置などによるハラスメント対策に取り組む―ことなども求めています。


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