2023年6月16日(金)
スイス 女性ら30万人スト
男女平等賃金・暴力撤廃を
![]() (写真)大通りを埋め尽くした女性たち=14日、チューリヒ(桑野白馬撮影) |
【チューリヒ=桑野白馬】スイス全土で14日、女性の権利団体や労働組合、左派政党の人たちが賃金の男女平等や暴力撤廃を求めてストライキを行いました。主催者発表で30万人以上が街頭に繰り出しました。
チューリヒ市内の大通りを埋め尽くした参加者は「不平等な働き方の是正を」と唱和。暴力反対運動を象徴する紫色の衣類を身に着け、楽器を演奏したり踊ったりしながら行進しました。
スイスの2022年の政府統計によると、男女の年金額格差は約35%、収入格差は20年時点で18%に達します。主催団体は、賃金格差が欧州最大水準で、1日の労働時間に換算すると「女性は午後3時24分からタダ働きだ」と指摘。同時刻に腕を組み抗議するよう呼び掛けました。
主催団体は▽男女平等賃金法の導入▽性暴力と職場でのハラスメント根絶▽LGBTQなど性的少数者への差別の撤廃▽連邦レベルで月額最低賃金4500スイスフラン(約70万円)の導入―などを求めました。
研究機関で働くアイリスさん(34)は「同じ期間働いても女性はほぼ管理職になれない。不公平だ」と憤り、「社会構造を変えるため、たたかい続ける」と強調しました。
スイスでは2019年9月、父親に2週間の育児休暇を認める法律が成立。昨年は同性婚が法制化されました。しかし、女性団体や労組は「歩みが遅すぎる」として、要求実現までストを続ける構えです。同国では1981年6月14日、憲法に平等の原則が書き込まれたのを記念し、毎年この日にストやデモが行われています。









