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2023年6月13日(火)

憲法生きる政治実現へ

若者憲法集会で交流

 11日に東京都内で行われた若者憲法集会では、メイン集会と四つの関連企画が行われ、憲法をめぐる動きや憲法を生かした政治の実現に向けて交流しました。

「戦争反対」草の根から

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(写真)渡辺治氏の講演を聞く若者憲法集会参加者=11日、東京都千代田区

 東京都千代田区にある有楽町朝日ホールで開かれたメイン集会には、会場いっぱいの870人(主催者発表)が参加しました。

 主催者あいさつで全労連青年部の保科雄治部長は、岸田政権は専守防衛を百八十度転換し、敵基地攻撃能力の保有を含む安保3文書を閣議決定し、大軍拡と改憲の動きを強めていると告発。「いまこそ対話による平和外交の道をつくることが大切です。平和か戦争かの重大な岐路に立たされています。『新しい戦前』は許さないと、大きくアピールしていこう」と述べました。

 全国から参加した、4人の青年がスピーチしました。東京都で教師をしている女性は、職場の同僚など10人以上から賛同を集め、実行委員会を立ち上げたと報告し、「教え子を再び戦場に送るような仕事に加担したくありません。引き続き、憲法対話を進めていきたい」と語りました。

 大阪で学童保育指導員をしている男性は、若者憲法集会について、「憲法を考える良い機会だと思い、職場の友人も誘って参加しました」と発言。ウクライナ侵略を目の当たりにして、「日本は戦争にならへんよな?」と子どもたちが不安になっていると述べ、「『9条があるから大丈夫やで』と伝えると少し安心した表情を見せてくれました。憲法について学び、岸田政権による戦争国家づくりに反対したい」と語りました。

 閉会あいさつで日本民主青年同盟(民青)の西川龍平委員長は、憲法違反である敵基地攻撃能力の保有を進めようとしている今の政治を前に、「黙っているわけにはいきません。近く、新しい運動も呼びかけようと相談しています。草の根で、さらに声を上げていきましょう」と呼びかけました。

 一橋大学名誉教授の渡辺治さんが講演し、「憲法と市民の運動によって、『戦争しない国』を維持してきた。このことに確信を持って、岸田大軍拡も阻止しよう」と語りました。

国民運動が力与える

学生企画 山添参院議員と語る

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(写真)青年に向けて語る山添拓参院議員=11日、東京都千代田区

 学生企画「憲法が、希望。」では、日本共産党の山添拓参院議員が、今の政治と憲法が持つ可能性について、参加者と語りました。

 山添氏は、憲法は権力者にさまざまな制約を課しているが、政府は一貫してその制約を取り払おうとしてきたと指摘。憲法審査会の動きにふれ、「ウクライナ戦争の下でも多くの国民が改憲を望んでいないことは、私たちが確信にすべきことだ」と述べました。

 安保3文書に基づく敵基地攻撃能力の保有は9条からの逸脱だと強調。「憲法の実効性は国民の運動によって力を得てきました。理不尽な現実を変え憲法が生きる日本のためにともに頑張りたい」と話しました。

 会場から「米国との軍事的一体化は誰の得になるのか」などの質問が出されました。山添氏は「米国の得になるだろう」と即答。「中国が台頭する中で、米国がとってきた世界的な覇権を維持できなくなってきた。そこで日本に協力を求めている形だが、“東アジアで対立をあおることはやめてくれ”と日本は言うべきだ」と語りました。

 「攻撃されたらどうするのか、という意見にどう反論したらいいか」との質問に山添氏は、一たび争いになればとどまるところがなくなるのが戦争だとして、「その前段の努力こそが必要だ。いがみ合うのではない国際関係をつくるのに力を尽くすのが世界の流れだし、日本もその努力をすべきだ」と述べました。

すべての行動に意味

高校生企画 戦争防止を議論

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(写真)憲法について学び、戦争を防ぐために「一人ひとりにできることは?」とみんなで考えた高校生企画=11日、東京都千代田区

 高校生企画では、全国から集まった高校生が憲法をテーマにグループ討議しました。立憲主義や平和の大切さについて東京法律事務所の浅野ひとみ弁護士の講演を聞き、「どうやったら戦争を防げるか?」などについて学び、語り合いました。

 岸田政権が憲法を無視して大軍拡・大増税を進め、9条改憲もたくらんでいることを学び、「一人ひとりにできることは?」とみんなで考えました。「政治を変える。そのために考え、行動する」「今の政治のひどさを、周りの人に伝えたい」とトークしました。

 北海道から参加した3年生は、自身が通う学校で若者憲法集会実行委員会をつくったと話します。自民党改憲草案を見て危機感を感じていると語り、「憲法は平和のとりでです。高校生でもできることがあると信じて、声を上げていきます」。

 高校生平和ゼミナールの活動に参加している東京の2年生は、日本政府が核兵器禁止条約に批准するよう求める署名活動に参加していると発言。「唯一の戦争被爆国である日本が、なぜ条約に参加しないのか疑問です。私たちが声を上げないと現実は変わらない。署名を頑張りたい」と述べました。

 埼玉から参加した3年生は、日本は戦争をしないと憲法で定めながら在日米軍基地が多く存在していると述べ、「その根拠となっている日米安保条約も、一方の国が通告すればいつでも破棄できると学びました。平和のために、一人ひとりの行動に意味がある」と話しました。


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