2023年6月10日(土)
ＬＧＢＴ与党修正案
理解増進どころか後退
当事者団体会見「裏切られた」
 （写真）「ＬＧＢＴ理解増進法案」をめぐり、自民、公明、日本維新の会、国民民主党の４党の修正案が衆院内閣委員会で可決されたことをうけ会見する当事者団体＝９日、東京都内 |
性的少数者の権利と尊厳を守る「ＬＧＢＴ理解増進法案」を巡り当事者団体などが９日、東京都内で会見を開きました。衆院内閣委員会で同日可決した自民、公明、日本維新の会、国民民主の４党修正案について、「理解を増進どころか後退させるものだ」「期待を裏切られた」などの批判の声が上がりました。
性的少数者のための法整備を目指す「ＬＧＢＴ法連合会」の神谷悠一事務局長は、首相秘書官による差別発言で法整備を求める声が高まっていたと指摘。その中で４党修正案が可決されたことについて「崖から落とされた気分だ。このままの法案では納得できない」と批判しました。
４党修正案には「全ての国民が安心して生活できる」という文言を加えています。これについて林夏生理事は、「当事者からすれば『自分たちは誰かの安全を脅かす存在として見られてしまう』という思いを抱きかねない」と述べました。
すべての人に結婚の平等を求める「マリッジ・フォー・オール・ジャパン―結婚の自由をすべての人に」の理事で当事者の松中権さんは、一昨年に超党派議連で合意した案が自民党保守派の反対で廃案になったことにふれ「今回も同じように裏切られた気分だ」と述べました。
同団体の寺原真希子代表理事は同性婚を認めていない現状について、「違憲」や「違憲状態」との司法判断が出ていることに言及。「国会は司法から突き付けられている課題に正面から向き合うべきだ」と強調しました。
