2023年6月9日(金)

岸田政権「骨太」原案

教員の長時間労働是正

　岸田政権は７日に発表した「経済財政運営と改革の基本方針」（骨太の方針）原案に、教員の長時間労働是正に向けた「働き方改革のさらなる加速化」を盛り込みました。ただ長時間労働の要因の一つとなっている、公立学校教員の残業代不支給制度には言及しませんでした。

　公立学校の教員は月給の４％が教職調整額として一律支給されるのと引き換えに残業代が支給されません。文部科学省の調査で持ち帰り残業を含めた小中学校教員の１日の平均労働時間が約１１時間３０分に上ったことを受け、中央教育審議会（文科相の諮問機関）では残業代支給も選択肢に入れた議論が始まっています。

　一方自民党は、残業代支給を「取るべき選択肢とは言えない」と否定する提言をまとめています。「骨太」原案は、自民党が提言する教職調整額の増額や職務に応じた手当の見直しについては検討を進めるとしたものの、残業代支給には触れていません。