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2023年6月9日(金)

きょうの潮流

 学生は怒りを込めました。「人の生き死ににかかわる法案を数で押し切っていいのか」。女性は訴えました。「人権を守らない政治はすべての命を脅かす」▼入管法の改悪と強行採決に抗議するため国会前に集まった市民の声です。これだけ多くの問題が噴出している法案について、なぜ審議を尽くさないのか。いま国民の多くは結論ありきの国会に疑問を抱いています▼成立した改定マイナンバー法しかり、狙われている軍拡財源法案しかり。さまざまな課題が明らかになりながら、腰をすえた議論もないまま、ところてんのように押し出されていく。国会を形骸化させている自公の与党と、それに協力する維新や国民の責任は重い▼「国会中継を見るのはいつも骨が折れる」。亡くなったコラムニストの小田嶋隆さんが、安倍政権時の国会の様子を取りあげたことがあります。質問のヌルさに腹を立てたり、回答する官僚や大臣の言葉の使い方のデタラメさにいらいらしたり。平常心で視聴し続けることができなかったと▼うそをついたり隠したり。たしかに、あのときから説明責任は放棄されてきた気がします。いまはそれが加速され、反対意見には耳をかさず、国のかたちを変えるような法案を押し通す。国会をその装置のようにして▼入管で命を奪われたウィシュマさんの遺族が見守る前でくり広げられた強行採決。「数だけで決めてはならないものがある」。共産党の仁比議員が議場で放った一言は、政治のあり方をも問い直しています。


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