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2023年6月4日(日)

IAMDで協力強化

日米豪国防相会談 敵基地攻撃連携へ

アジア安保会議

 シンガポールで開かれているアジア安保会議(シャングリラ会合)で3日、浜田靖一防衛相、オースティン米国防長官、マールズ豪国防相が会談しました。発表された共同声明では、「ミサイル防衛」と敵基地攻撃を一体化させた米国の「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)での3カ国協力の強化が明記されました。

 IAMDは中国を念頭に、他国領域への先制攻撃を含むミサイル攻撃網です。日本は昨年末の安保3文書で、敵基地攻撃能力の保有とともにIAMDの導入を決定。政府は「米国のIAMDとは別」だと弁明していますが、米国はIAMDをインド太平洋全域に拡大するため、同盟国の参加を求め、事実上、米国の指揮下に置くことを想定しています。米インド太平洋軍の「IAMD2028ビジョン」では、同盟国の主軸として日豪を想定。今回の共同声明で、日本がIAMDに本格的に組み込まれる危険が鮮明になりました。

 また、共同声明は、「日本の反撃能力の保有及び豪州の長距離打撃能力への投資の重要性」に言及。「日豪両国が米国を交えて密接に連携していく」と明記し、日本の敵基地攻撃能力の保有で3カ国の連携を強調しました。米国は既に、敵基地攻撃兵器である長距離巡航ミサイル・トマホークの豪州への売却を決定。日本も今年度予算にトマホーク400発分の導入経費を盛り込み、国産の長距離ミサイル開発にも着手しています。

 さらに、3カ国の共同訓練などでの計画策定で一致。F35ステルス戦闘機による3カ国の訓練を豪州で実施することで合意しました。安保法制に基づく「武器等防護」の定期化も盛り込まれました。


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