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2023年6月4日(日)

きょうの潮流

 アカミミガメとアメリカザリガニが1日から、条件付き特定外来生物に指定されて、販売が禁止されるようになりました▼黄色が鮮やかなオオキンケイギクなど特定外来生物は、栽培や飼育が禁止されています。“条件付き”の場合、飼い続けることはできても野外に放したり、逃がしたりしてはダメ。飼い続けられない場合は、責任をもって飼える相手を探すようにとされています▼アカミミガメの子どもは「ミドリガメ」として売られ、家庭や学校で飼われてきました。「亀は万年」といわれるように寿命は40年程度にも。手に負えなくなったり、「自然で生きる方が幸せ」と悪気なく考えたりした結果、池や川、野に放たれてきました▼日本に古くからすんでいた、穏やかなニホンイシガメにとっては大きな災難です。繁殖力の違いから競争に敗れ、各地で数を減らします。同じく外来のアライグマに食べられ、生息地の減少もあり、日本全体として準絶滅危惧種に指定されています▼くらし家庭面で5月に連載された「ニホンイシガメと生きる」。体の特徴や暮らし、人とのかかわりなどを紹介しました。ある朝、読者から「これはイシガメでしょうか」と写真が送られてきました。執筆者に転送すると「ミシシッピアカミミガメの年老いたオスでしょう」とすぐ返信が。身の回りで出合うことはやはり難しい▼人間によって生きる場を得てきたアカミミガメと、人間によって生きる場を失ったニホンイシガメ。私たちにこれからできることは。


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