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2023年6月3日(土)

あす天安門事件から34年

犠牲者遺族「真相公表を」

 【北京=小林拓也】中国・北京で中国共産党指導部が民主化運動を武力弾圧した天安門事件(1989年)から4日で34年になります。

 事件の犠牲者の遺族でつくる団体「天安門の母」は記念日に合わせ声明を発表し、「政府が事件の犠牲者遺族に謝罪し、人民にざんげすることを求める」と表明しました。

 声明は「政府は人々の心の中の残酷な記憶を消し去ろうとしている」と批判。「希望は見えないが、われわれはあきらめない」とし、事件の真相の公表、遺族への賠償、責任者に対する法的責任の追及―を今後も要求し続けると訴えました。また、この1年間で7人の遺族が亡くなったと公表しました。

 ここ数年、中国政府は人権活動家らへの弾圧を強めています。中国の裁判所は今年4月、人権活動家の許志永氏に国家政権転覆罪で懲役14年の実刑判決を言い渡しました。支援者らによると、許氏は5月下旬、4日に獄中で天安門事件を記念するために断食をすると宣言。「他の活動は阻止されるだろうが、断食を抑え込むことはできない」と強調しました。

 香港では、2019年まで毎年6月4日夜に中心部のビクトリア公園で事件の犠牲者追悼集会が行われてきました。しかし20年に施行された国家安全維持法(国安法)のもと、集会の主催団体が解散に追い込まれ、警察により追悼活動が抑え込まれました。今年は集団的な追悼の呼び掛けもありません。

 台湾の台北では4日夜、民主団体らが主催する事件の追悼行事が開かれる予定です。


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