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2023年6月2日(金)

きょうの潮流

 “グルーミング”という言葉は英公共放送BBCの番組(3月放送)に触れるまで知りませんでした。もともとは「毛づくろい」。性犯罪の文脈では、わいせつ目的で子どもを手なずけ、心理的にコントロールする行為を指します▼故ジャニー喜多川氏のジャニーズJr.(ジュニア)たちへの性虐待がそれでした。絶対的権力を持つおとなが、デビューへの夢をちらつかせながら13、14歳の子どもを自分の性欲のはけ口にする。衝撃で親にも話せない。地獄絵図です▼中には一生のトラウマになるほどの傷を負いながら、ジャニー氏への感謝を口にする元ジュニアも。虐待を虐待と認識できない、そこにグルーミングの特徴があります▼ジャニーズ事務所が先日「外部専門家による再発防止特別チームの設置」などを発表しました。「再発防止」といいつつ、今なお性虐待の事実は認めていません。藤島ジュリー景子社長の「知らなかった」発言については、元所属タレントの近藤真彦氏が取材陣の質問に「知ってた、知らなかったではなく、知っているでしょ」と。徹底した解明が必要でしょう▼いま国会で刑法改正案が議論されています。内容は、性行為の同意年齢の13歳から16歳への引き上げ、公訴時効の延長、経済的・社会的関係上の地位利用を要件に追加、子どもにわいせつ目的で近づく罪の新設など。ほとんどがジャニー氏のケースにあてはまります▼おとなの性欲のえじきになる子どもたちを、どう守るか。社会全体が考えるべき時です。


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