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2023年5月30日(火)

G7広島サミット 「朝日」検証記事の異様さ

 岸田文雄首相もちあげが目立った大手メディアの主要7カ国(G7)広島サミット報道。なかでも、異様だったのが、24日付の「朝日」1面トップ記事でした。

 「『被爆の実相』こだわり 重ねた交渉 資料館視察 日米駆け引き」「滞在40分 オバマ氏の4倍」の大見出しで、「水面下の交渉では、原爆を投下した米国との駆け引きがあった」「首相は官邸で何度も会議を開いた。各国との調整状況の報告を聞き『まだ足りない。もっとできないか』と繰り返した」などと描き、「歴史的なことだ」とした岸田首相の言葉を紹介しました。

 明らかになっている事実は、被爆地から「核抑止力」論を公然と宣言する「広島ビジョン」を出したこと、原爆資料館視察について公式説明が一切ないことです。説明もない視察の舞台裏を政府関係者のリークで描いてみせても空虚なだけ。被爆者からは「今は怒りに震えている。核抑止論に立った議論で戦争をあおるような会議になった」(被団協の木戸季市事務局長)「死者に対する大きな罪だと思う」(サーロー節子さん)など広島サミットへの怒りの声が噴出しています。

 同じ朝日新聞社が出している『AERA』6月5日号の記事でさえ、「岸田文雄首相が『歴史的』と強調したサミットだが、被爆者から聞かれたのは憤りや落胆の声だった」「市民が完全排除された広島平和記念公園は、『核同盟』のG7が核抑止政策の結束をアピール」する「『貸し舞台』にも見えた」と批判したのと比べても「朝日」24日付の記事の異様さは際立ちます。

 被爆者の声に寄り添うのか、「核抑止力」論を正当化する岸田首相の側に立つのか、メディアとしての姿勢が厳しく問われています。(藤)


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