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2023年5月29日(月)

維新の宣伝と堺市政の実像

住民サービス縮小・廃止

偽りの「財政危機」あおり

 なんか変ですね。維新の宣伝文句と堺市政など維新政治の実像が、あまりにもかけ離れています。堺市長選(6月4日投票)は、市民共同候補の元市議、野村ともあき氏(49)の勝利で、維新現職候補、永藤英機氏(46)から、自治都市・堺を市民の手に取り戻すかどうかが問われています。

「改革」で財源を生み出す?

偽りの「危機」で市民の身を切る

 「自分たちの身を切る改革を本気でやってきた。腹をくくってやっているから、財政の改革ができて、財源を生み出して未来へ投資できる」(吉村洋文大阪府知事=大阪維新の会代表、21日、堺市・南海中百舌鳥駅前)

 「改革と成長によって財源をつくり、住民サービスを拡充していく」(永藤候補、27日、堺市美原区)

 ところが、財源はあるのに「財政危機宣言」をし、住民サービスを次々縮小・廃止したのが堺市の永藤維新市政です。第2子保育料無償化を延期、保育士配置の補助金カット、泉北高速鉄道の学割補助金を廃止。「拡充」を公約していたのに、おでかけ応援制度の対象縮小案を二度も議会に提案し否決されました。

 「財政危機宣言」をしたのが2021年2月。「脱却プラン」を発表したのが同年10月。何もしていないのに翌年2月に公表した財政収支見通しでは、30年度末に基金(貯金)は「枯渇」しないことが市の試算でも判明しました。偽りの「財政危機」をあおり、「市民の身を切ってきた」のが永藤市政でした。

 「身を切る改革」と言いながら、収入の8割を占める政党助成金=税金は受け取り続け、決して切ろうとはしないのが、日本維新の会です。

税金を1円も無駄にしない?

カジノに巨額の公金投入

 「維新の会は1円たりとも税金を無駄にしないという覚悟でやっていますよ」(横山英幸大阪市長=大阪維新の会幹事長=、21日、堺市・堺東駅前)

 大阪市長としては、堺市民にも説明しなければならないことがあるはずです。

 「カジノに税金は一切使わない」(当時の松井一郎大阪市長)と言っていたのに、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の予定地、大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」の土壌汚染・液状化対策だけで788億円も市の公金を注ぎ込むことを決めました。カジノ事業者言いなりに地盤沈下対策費など大阪市の負担はどこまで膨らむかわかりません。ギャンブル産業のために巨額の公金を使うことは無駄ではないのでしょうか。

 永藤堺市政も「府・大阪市との連携」として無謀なベイエリア開発に10億円を超える公費を投入しています。カジノ・IRの夢洲へ直行する海上航路をつくるための船着場の計画まであります。堺市民をギャンブル依存症にいざなうものです。

「古い政治」とたたかう?

戦争前夜に戻し人権を軽視

 「古い政治の体質とたたかわないとだめなんです」(吉村知事、21日、堺市・南海中百舌鳥駅前)

 「古い政治が続いている」(音喜多駿日本維新の会政調会長、同)

 「(維新府議のパワハラ・セクハラ問題は)堺市長選にも一定影響があると思うが、堺市長選は、古い政治からの脱却を訴えていく」(横山大阪市長、23日、大阪市役所で記者団に)

 改憲・大軍拡・「核共有」議論で自民党をあおり、「戦争前夜」に逆戻りさせようとしている維新。入管法やパワハラ・セクハラをめぐる「古い体質」も問われています。

 現行の入管法は、戦前に植民地出身者を取り締まった制度を引き継いだもの。維新も賛成する改悪案は外国人の人権侵害を一層深刻化させる内容です。維新の梅村みずほ参院議員(大阪選挙区)は入管施設で亡くなったスリランカ女性について支援者の一言が「病気になれば仮釈放してもらえるという淡い期待」を抱かせ、死につながった可能性があると本会議質問。音喜多政調会長は、梅村質問は「政調(会)が最終チェックしている」「問題提起としては間違ったことはしたとは思っていない」とし、馬場伸幸日本維新の会代表も梅村発言は「何か間違っているということではない」と擁護しています。

 維新の人権感覚は、維新府議団代表だった笹川理氏の同党女性大阪市議へのパワハラ・セクハラ問題にもあらわれています。週刊誌報道で明るみに出ましたが、8年前に女性市議から“つきまとい行為”をやめさせてほしいと相談を受けたのは、当時の松井一郎幹事長でした。その笹川氏をなぜ府議団代表に就任させたのでしょうか。


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