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2023年5月26日(金)

きょうの潮流

 今年4月の時点で公立中学校の4校に1校で教員不足が起きている―。大学教授などでつくる「#教員不足をなくそう緊急アクション」の調査で、そんな深刻な実態が明らかになりました。公立小学校でも5校に1校が教員不足です▼定員通りに教員が確保できない状況が常態化しています。自治体が少人数学級を実施しようとしても、教員が足りず進められない。そんなことも起きています▼「担任が不在でプリント中心の学習にせざるをえない」「教師1人で2クラス合同授業」。緊急アクションの調査への回答からは各地で子どもの教育への弊害が起きていることが分かります。病休の教員の担当する教科が実施できなかったり、免許外の教員が教えたりというのは普通の光景になりつつあります▼教員のなり手がいない大きな要因の一つが勤務実態の深刻さです。4月に文科省が公表した調査結果によると、1カ月の残業時間が45時間を超える教員は小学校で約65%、中学校では約77%に上ります。学生が教員志望を諦める大きな要因となっています▼こんなことになったのも政府が教育予算を低く抑えて、教員を減らしてきたから。しかも現在の制度では、公立学校の教員はどれだけ長時間残業しても、残業代がまったく支払われません。これでは働かせる側に労働時間を減らさなければという意識が働きません▼教員不足は長年の教育政策が大破綻した結果です。未来を切り開く子どもたちのために、抜本的な予算増が求められています。


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