2023年5月26日(金)
誤交付・誤登録…トラブル続出
欠陥マイナ 法案直撃
拙速審議に批判 それでも固執の自民
マイナンバーカードを巡って、コンビニでの住民票誤交付、「マイナ保険証」の情報登録の誤りに続き、公金受取口座とのひも付けでも誤登録が判明するなど、個人情報流出につながるトラブルが続出しています。政府は「人為的なミス」などと火消しに躍起ですが、保険証を廃止するマイナンバー法改定案を審議している国会日程への影響は避けられません。
松野博一官房長官は24日の会見で、「個人情報の保護に関する国民の信頼を損なう重大な事案」だと述べ、自治体が管理・運営するシステムの誤りや人為的ミスが原因だと責任を転嫁。一方、平井伸治全国知事会会長(鳥取県知事)は同日の会見で、「いろいろと事情は言われているが、それは正直理由にならない。もっと緊張感のある対策を根本から考えてほしい」と政府に苦言を呈しています。
マイナンバー法改定案を審議している参院では、野党側が拙速審議に対する抵抗を強めています。立憲民主党の安住淳国対委員長は24日の党会合で、マイナンバーカード問題を「国会終盤に向けて本格的に追及する」とし、関係委員会で集中審議を要求していく構え。日本共産党は、法案審議を直ちに中止し、全面的な事実関係解明を最優先させるべきだと主張しています。
国会の動きを受け、河野太郎デジタル相は来週予定の外遊を急きょ中止し、国会対応に当たるとの見通しも浮上。自民党の萩生田光一政調会長は25日の党会合で「今から後戻りする選択肢はない」と述べ、この期に及んでもマイナンバーカードの利用拡大に固執しました。