2023年5月25日(木)
アイヌ迫害 歴史伝えよ
紙氏「新冠で2度の強制移住」
参院行政監視委
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日本共産党の紙智子議員は15日の参院行政監視委員会で、独立行政法人・家畜改良センター新冠(ニイカップ)牧場(北海道新ひだか町)で発見されたアイヌに関する新資料を踏まえ、同化政策の歴史を伝える仕組みづくりを求めました。
明治時代、新冠牧場ではアイヌが強制移住させられた事件がありました。祖先が当事者の狩野義美氏が同牧場と交渉し資料の存在を突き止めたのをきっかけに、紙議員が昨年、新冠牧場を訪れて資料の永久保存を提案し、国立公文書館への移管が決まりました。
同委で国立公文書館の山谷英之理事は紙氏に、「文書が101冊、(今年)夏ごろにはデジタルアーカイブで検索できる見込みだ」と答えました。
紙氏は「御料牧場の開墾のために強制労働で酷使されたあげく、牧場ができると土地を奪われ逆らうものは家を焼くと脅された」との証言を紹介し、新冠町史では御料牧場から姉去(アネサル)、さらには上貫別(カミヌキベツ)へとアイヌは2度も強制移住を強いられたと指摘。内閣官房の田村公一アイヌ総合政策室次長は「強制移住は承知している。厳粛に受け止める」と答えました。
紙氏は、アイヌ施策推進法ができても同化政策の検証は進んでいないと指摘し、彼らがどのような略奪、迫害を受けたのか、事実をつかみ伝える仕組みづくりを要求。政策評価担当の松本剛明総務相は「関係府省の取り組み状況(アイヌ政策推進会議等)を注視したい」と答弁するにとどまりました。









