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2023年5月25日(木)

女川原発差し止め認めず

避難計画実効性 判断避ける

仙台地裁

 東北電力女川原子力発電所2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働をめぐり、過酷事故を想定した広域避難計画の実効性を争点に、東北電力を相手に石巻市の住民17人が再稼働の差し止めを求めた訴訟の判決が24日、仙台地方裁判所であり、斉藤克洋裁判長は、原告の請求を棄却しました。


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(写真)裁判所前で原告や支援者に不当判決を伝える原告弁護団=24日、仙台市青葉区

 斉藤裁判長は「原発の差し止め請求では、原告側が原発事故発生の具体的危険性を立証する責任を負う」として、女川原発の具体的な危険性を立証しておらず差し止めは認められない、と判断。避難計画の実効性には踏み込みませんでした。

 判決後、原伸雄原告団長は、「福島原発事故の最大の教訓は『安全神話』に浸っていたことだが、この判決を見ると裁判所が『安全神話』に浸っていて、事故は起きないという前提の考えられない判決だ。福島の悲劇を繰り返さないよう司法がストップをかけることを期待したが残念だ」と怒りを込めて語りました。

 判決後に原告弁護団は声明を発表。福島原発事故の反省を受けて原子力基本法が改正され、1層から5層までの5段階の深層防護の原則が定められ、事故が起こることを前提とした第5層の避難計画策定が義務付けされたと指摘。しかし、その実効性についての司法判断を放棄し、深層防護の原則を否定する判決に抗議し、速やかに控訴するとしています。


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