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2023年5月22日(月)

限界と矛盾がいよいよ深刻に――G7広島サミットについて

志位委員長が談話

 日本共産党の志位和夫委員長は21日、「限界と矛盾がいよいよ深刻に―G7広島サミットについて」と題する談話を発表しました。


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 G7広島サミットは、米国を中心とする軍事ブロックに参加する諸国で構成されるG7という枠組みが、グローバルな諸課題に対処するうえで、深刻な限界と矛盾に直面していることを浮き彫りにするものとなった。さらに日本固有の異常な立ち遅れを露呈するものともなった。

(2)

 広島が開催地であることから、内外の多くの人々が核兵器廃絶に向けた前向きのメッセージを期待したが、G7の対応はこの期待に真っ向から背くものだった。

 核兵器による威嚇によって他国を抑えようという「核抑止力」論を公然と唱える一方、世界の92カ国が署名し、すでに国際法としての地位を確立している核兵器禁止条約を無視する姿勢をとったことに、失望と批判が広がっている。

 被爆者のサーロー節子さんは、「自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と語ったが、この批判は、G7広島サミットの本質をズバリ言い当てたものである。

 「核抑止力」論の根本的な見直しと、核兵器禁止条約に正面から向き合う姿勢が、G7諸国に強く求められている。

(3)

 世界の平和秩序をめぐって、G7広島サミットが、「ロシアによるウクライナに対する侵略戦争」を強く非難したこと、世界のいかなる場所においても「力による一方的な現状変更の試み」に反対したことは当然である。

 同時に、G7諸国が、これらの動きに、軍事ブロックの強化で対応していることは、世界の分断をより深刻にし、軍事対軍事の危険な悪循環をつくりだしていることを、きびしく指摘しなければならない。

 G7首脳宣言は、「インド太平洋」の安全保障の枠組みについて、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)という、中国を排除・包囲するブロック的対応の危険をはらんだ枠組みを前面に押し出した。サミット期間中に、中国を念頭にした包囲網として構想されている「日米豪印戦略対話」(クアッド)の首脳会談を開いた。

 同時に、G7首脳宣言は、「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)に沿った「協力を促進」することを明記した。AOIPは、米国、中国も含めて、この地域に関係するすべての国を包摂する平和の枠組みとして提唱されているものだが、G7首脳宣言がこの構想への協力を明記したのは、ASEAN諸国の力を無視しては、地域の安全保障を語ることができなくなっていることを示している。

 ここにはG7が直面している矛盾が示されている。

 排除の論理でなく、地域のすべての国を包摂する安全保障の枠組みを強化していくことこそ、東アジアに平和をつくる大道であることを強調したい。

(4)

 議長国をつとめた日本の問題について、2点にしぼって指摘したい。

 第一は、ウクライナ支援の問題である。「ウクライナに関するG7首脳声明」は、「我々は、必要とされる限り、ウクライナが求める、財政的、人道的、軍事的及び外交的支援を提供するという我々のコミットメントを新たにしている」とのべているが、憲法9条をもつ日本の対応は、国際紛争の助長を回避する立場に立ち、あくまでも非軍事の人道・復興支援に徹するべきだということを強調しておきたい。

 第二に、G7広島サミットは、日本が一連の重要な問題でG7の他の諸国と比べても異常な立ち遅れにあることを浮き彫りにするものともなった。

 気候危機打開で焦眉の課題となっている石炭火力発電所からの撤退期限が、日本の反対でG7の合意とならなかった。

 G7首脳宣言は、「世界中の女性及び少女並びにLGBTQIA+の人々の人権と基本的自由に対するあらゆる侵害を強く非難する」と明記しているが、日本がG7諸国で、唯一同性婚が法律で認められておらず、性的マイノリティーへの差別を禁止する法律がないことは、国内外で大きな問題となっている。

 G7首脳宣言は、「難民を保護し、避難を強いられた人々や受入国及びコミュニティーを支援し、難民及び避難民の人権及び基本的自由の完全な尊重を確保」すると明記している。日本で進められている難民・外国人の命を脅かす「入管法改悪案」は、この宣言に真っ向から反するものといわなければならない。

 日本政府は、環境、ジェンダー、人権などの諸課題で、こうした異常な立ち遅れを直視し、その打開のための取り組みを真剣に行うべきである。


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