2023年5月19日(金)
日本語教育機関法案
吉良議員の質問(要旨)
参院本会議
日本共産党の吉良よし子議員が17日、参院本会議で行った日本語教育機関法案の質問の要旨は以下の通りです。
![]() (写真)質問する吉良よし子議員=17日、参院本会議 |
政府が「留学生30万人計画」を打ち出して以降、留学生の数は増え続け、2019年にはそれを突破。33年までに40万人を目指すとしています。
留学生の多くは、渡航費や斡旋(あっせん)手数料など100万円以上の借金返済を抱えて来日し、学費や生活費、母国への仕送りのためにアルバイトに追われています。週28時間の上限を超えて働いた留学生は「不法就労」とされ在留資格を失い、収容、退去を強制されることもあります。留学生を使い勝手の良い安価な労働力として受け入れてきた政府の姿勢に問題があるのではないか。留学費用を借金に頼り、母国からの仕送りが見込めない外国人でも、「30万人計画」達成ありきで在留資格を出し続けてきたのではありませんか。
留学という名目で外国人を安価に働かせる構造そのものを改めず、「40万人」などと留学生を増やし続ければ悲劇を生みだしかねません。外国人受け入れ政策そのものを転換し、学問・研究が目的の外国人は留学生として、就労目的の外国人ははじめから労働者として受け入れるべきではありませんか。
日本語学校の最大の問題は、その大半が、留学生を安価な労働力として利用することと一体に運営されていることです。
日本語学校は増え続け、現在の法務省告示基準に合致した告示校は832機関。うち6割以上が株式会社など営利目的です。理事長自身が人材派遣会社を経営し、留学生からパスポートを没収し、週28時間以上働かせた上に不当に高い家賃を徴収するなど、学校そのものが外国人ビジネス、留学生搾取を行う悪質な事例もあります。
10年間に告示基準違反で法務省が告示抹消処分をしたのはわずか2件。これで適切な是正ができているとお考えですか。
法案は、法務省に代わり文科省が基準をつくり「日本語教育機関」を認定します。事実上、認定する官庁の差し替えにとどまるのではないか。悪質な日本語学校は認定しない、除外できると言えますか。認定の基準は法案成立後に省令で検討するとされています。現在の法務省告示基準より厳しい基準となる保証はありません。
日本語教育を担う教師約4万人の半数はボランティアで無報酬の働きに頼っているのが実態です。法務省告示校に勤める日本語教師の3分の2が非常勤。文化庁調査によると、告示校常勤でも年収400万円未満が7割で非常勤は150万円未満がほとんどです。
法案で国家資格化される「登録日本語教員」になれば処遇も改善されますか。日本語教師の専門性にふさわしい地位向上と処遇改善を強く求めます。









