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2023年5月19日(金)

きょうの潮流

 このごろの国会では奇怪な「論法」が横行するらしい。わざと論点をすりかえる「ご飯論法」は安倍元首相の得意でしたが、こんどは妄想論法、あるいは臆測論法とも呼ぶべきか▼「事実ではないが、可能性はある」。そうくり返しながら、死者を汚し、命を救おうとした人たちを中傷する。日本維新の会の梅村みずほ議員が、事実ではないとしながらも自身の当て推量をまくしたてました▼入管でウィシュマ・サンダマリさんが死亡した事件について。彼女はハンガーストライキで亡くなったかもしれない、支援者のひと言が「病気になれば仮釈放してもらえる」という淡い期待を抱かせた―。そんな悪意を次つぎと▼これには入管側もそうした事実はないと否定しました。収容中に弱りはて、まともに食事もできず医者や点滴を哀願するウィシュマさん。助けをもとめる姿をあざ笑う職員。それは監視カメラの映像からも明らかになっています▼命を奪い、人間の尊厳をふみにじった事件は日本の入管とその法律のひどさを改めて世に知らしめました。いま国会の内外では岸田政権から出された入管法の改悪案を阻止するたたかいが続いています。そのさなかにとびだした梅村議員の暴言は、維新がいかに悪政推進の先兵としての役割を果たしているかをまざまざと▼ウィシュマさんの遺族らは心を深く傷つけられたと抗議。姉は必死に生きようとしていたと、妹は怒りを込めました。「国民を代表する議員が人の苦しみがわからなくていいのか」


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