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2023年5月18日(木)

柏崎刈羽 運転禁止継続

規制委 テロ対策不備 解消せず

 テロ対策の不備が相次いだ東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について原子力規制委員会は17日、追加検査を継続し、事実上の運転禁止命令を継続させることを決定しました。東電は、同原発7号機を今年10月に再稼働させる前提で、国に電気料金の値上げを申請しましたが、追加検査の終了時期は不明です。地元からは「東電に原発を動かす能力・資格はないことを改めて示した」との声も上がっています。

 同原発では、他人のIDカードを使って中央制御室に不正入室したことや侵入検知設備の故障が長期間放置されるなど、テロ対策の不備が相次いで明らかになりました。規制委は21年4月、事実上運転を禁止する核燃料物質の移動を禁止する命令を発出。テロ対策に対する改善措置の実施状況や効果を確認するため累計で3475時間の追加検査を進めてきました。

 原子力規制庁は、この日の定例会合で、追加検査で確認した27項目のうち4項目で是正が図られているとは判断できなかった、と報告。侵入検知の設備が風雪などに誤って反応する警報の低減目標が達成できていない上に、荒天時の監視業務に大きな負担がかかっていること、核物質防護関係の情報共有が十分に行われていないなどと指摘されました。

 規制委は近く、東電社長と今後の取り組みについて意見交換する予定。山中伸介委員長は「東電自身が、自律的に核物質防護に対する課題を解決できる状態に、まだなっていない」と述べました。


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