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2023年5月17日(水)

「平和に暮らしたいだけ」

沖縄・与那国 ミサイル配備に住民

説明会で敵基地攻撃に懸念次々

 台湾や中国に最も近い与那国島(沖縄県与那国町)で、岸田自公政権が狙うミサイル部隊の配備をめぐり、防衛省は15日夜、住民説明会を町内で開きました。防衛省は、他国を攻撃するミサイルの配備ではないと繰り返しましたが、町民からは「将来的には(敵基地攻撃のミサイルが)配備されるのでは」などの懸念の声が相次ぎました。


写真

(写真)住民説明会で防衛省側に質問する町民ら=15日、沖縄県与那国町

 防衛省の伊藤晋哉防衛計画課長は、陸上自衛隊与那国駐屯地に配備するミサイルについて、03式中距離地対空誘導弾の能力向上型と明らかにしました。

 質疑応答で、畜産農家の男性(52)=元町議=は、防衛省側が敵基地攻撃のミサイルを島に配備する計画は「現時点でない」と述べたことについて質問。防衛省が敵基地を攻撃するためではないとする今回のミサイル配備ですが、かつて自衛隊を島に誘致した前町長らからも「ミサイルを配備するとは一切、聞いていなかった。話が違う」などの声が出ています。

 この前例を踏まえて男性は、現時点で計画はなくても将来の安全保障環境の変化を口実に、敵基地攻撃のミサイルが島に配備される可能性はあるのではと指摘。軍事上の標的になる恐れがあるとして、「ここに参加するみんなが一致するのは平和に暮らしたいだけ。後でなし崩し的に敵基地攻撃のミサイルを配備することはしないと約束してもらえないか」と迫りました。

 伊藤課長は「いまこの島に(敵基地攻撃のミサイルを)配備する計画はない」と繰り返すだけでした。

 また、同省の折戸栄介沖縄協力課長は、ミサイル配備予定地の近隣に軍事利用の可能性も指摘される港湾建設計画が浮上していることについて問われ、「防衛省の運用上、必要になるかもしれない」と述べました。

 説明会には110人以上が参加。ミサイル配備を容認するとしている糸数健一町長は発言せず、「町長がまず説明すべきだ」と声を荒らげる人もいました。


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